ポトスのマーブルとマーブルクイーンの違いは何ですか?
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- ポトスマーブルとマーブルクイーンの違い
- 間違われる理由
本記事の信頼性
- ポトス50種以上の栽培歴・コレクター
- グリーンアドバイザー
(公益社団法人日本家庭園芸普及協会) - フラワーショップ経営
本記事を書いている私はポトス50種類以上の栽培歴を持つポトスマニアです。
ネットやインスタなど、ポトスにはマーブルとマーブルクイーンの両方があるという情報を見かけます。
しかし、見た目では全く分からない人も多いのではないでしょうか?
この記事では初心者の方でもスッキリ分かるように
“ポトスマーブルとマーブルクイーンの違い”についてご紹介します。
ポトス“マーブル”という品種は無い!混乱する原因
結論から先にいうと、ポトスの園芸品種に“マーブルクイーン”はありますが、「マーブル」という品種は存在しません。
おそらく巷の「ポトスマーブルとマーブルクイーンの違い」問題の原因は以下3つです。
- 表記ミス「クイーン」が省略されているだけ
- ピナツム・マーブルと混同している
- スノークイーンと混同している
表記ミス「クイーン」が省略されているだけ
「ポトスマーブルとマーブルクイーンの違い」問題が起きた最も可能性が高い原因は、単純なお店側の表記ミスによるものだと考えられます。
以下写真をご覧ください。こちらはホームセンターで売られていたマーブルクイーン
ラベルに「クイーン」が省略されています。
現在、ポトスは新しい品種が続々と出ているため、初心者の方や逆に観葉植物に詳しい人は、混乱してしまう可能性が高いです。
ピナツム・マーブルと混同されている
次に考えられる原因はピナツム種と混同して紹介されている可能性があります。
マーブルクイーンの学名はエピプレムナム・オウレウム・“マーブルクイーン”(Epipremnum aureum cv.“Marble Queen”)ですが、非常によく似た植物にエピプレムナム・ピナツム・マーブル(Epipremnum pinnatum Marble Variegated)があります。
植物名 | 学名 | 幼葉 |
マーブルクイーン | Epipremnum aureum cv.“Marble Queen” | 裂けない |
ピナツム・マーブル | Epipremnum pinnatum Marble Variegated | 裂ける |
大前提として、オウレウムもピナツムも「Epipremnum=ハブカズラ属」です。
農林水産省ではマーブルクイーンを含むポトス全般(Epipremnum aureum)をピナツム種(Epipremnum pinnatum)と同一視しているのですが、
正式にはEpipremnum aureumとEpipremnum pinnatumは別種です。
イギリスのキュー王立植物園やミズーリ植物園でも別種として認められています。
ところが、見た目がそっくりのため混同した結果「ポトスマーブルとマーブルクイーンの違い」問題が起きているのではないでしょうか。
しかし、ポトスは若葉の頃、葉に穴や裂けることはありませんが、ピナツムは、幼葉の頃から葉に穴が開いたり裂けるため区別できます。
ポトスもピナツムもものすごく大きく成長すると、葉に穴が開いたり裂けます。
スノークイーンと混同されている
実はマーブルクイーン(Epipremnum aureum cv.“Marble Queen”)にはスノークイーン(Epipremnum aureum var.“Snow Queen”)という変種があることをご存知でしょうか。
マーブルクイーン | Epipremnum aureum cv.“Marble Queen” |
スノークイーン | Epipremnum aureum var.“Snow Queen” |
海外ではマーブルクイーンを選抜した白い斑の多いものをスノークイーン(Epipremnum aureum var.“Snow Queen”)として、変種扱いしています。
白い葉に水彩画のような細かい緑の斑点が入り、茎までほぼ白いのが特徴です。
ところが、日本では園芸品種として登録されておらず、同じマーブルクイーンとして販売されているため、混同されている可能性があります。