ポトスの葉がだんだん小さくなってきました。なぜでしょうか?原因と対処方法を教えてください。
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- ポトスの葉が小さくなる理由
本記事の信頼性
- ポトス50種以上の栽培歴・コレクター
- グリーンアドバイザー
(公益社団法人日本家庭園芸普及協会) - フラワーショップ経営
本記事を書いている私はポトス50種類以上の栽培歴を持つポトスマニアです。
育てているポトスの葉がだんだんと小さくなっていませんか?
買ったときは大きな葉だったのに、年数が経つうちに新しく出てくる葉が小さくなることがあります。
実際に私の栽培経験とオリジナル写真を使って
“ポトスの葉が小さくなる6つの理由”についてご紹介します。
ポトスの葉が小さくなる6つの理由
- 下垂・ほふくする場合は本来の性質
- 根詰まり
- 肥料不足
- 栽培環境が寒い
- 小さい鉢で育てている
- 湿度不足・過乾燥
下垂・ほふくする場合は本来の性質
ポトスは下に垂れたり、地面をはって生育する場合、葉の大きさが小さくなる性質があります。
これは、大きい葉だとツルが伸びる途中で他の植物に引っ掛かるため、どんな狭い場所でも伸び続けられるように進化したという説があります。
植物が生きる目的は、私たち人間を楽しませるわけではなく、“子孫繁栄”です。
絶滅しないように本能として工夫しているわけです。
ですので、吊るして楽しむ場合やツルが自由に垂れ下がるとき、葉が小さくなるのは仕方ありません。
根詰まり
何年も植え替えを行わないと、鉢の中で根がぎゅう詰め状態になります。
すると、水を与えてもうまく根の先端から吸収することができません。
吸水できないということは、液体肥料や固形肥料など土の中の養分も同時に吸収できないため、葉にも栄養が行きわたらないことから、葉は小さくなります。
葉に何らかの症状が出る場合、根と関係していることは少なくありません。
肥料不足
鉢の中の肥料が不足すると、葉は小さくなります。
根から吸収された養分が葉まで行きわたらないからですね。
自然界では微生物の分解によって、肥料は足りているため人間が与える必要はありません。
しかし、鉢などスペースが限られた場所での栽培では、私たちが肥料を与えなければなりません。
なぜなら水だけでは、成長に必要な栄養を摂取できないからです。
確かに水にはミネラルという栄養素が含まれており、さらにその中にはカリウム(K)、リン(P)、ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)の多量ミネラルと呼ばれる栄養素があります。
しかし、生きながらえることは可能ですが、成長・繁殖するだけのパワーが無くなります。
私たち人間も、水だけで2~3週間生きることはできますが、栄養失調になりますよね。
そのため、鉢でポトスを育てる場合は、“食事”に該当する植物の三大栄養素、チッ素(N)・リン酸(P)・カリ(K)を「肥料」として与えないと成長しません。
「いやいや、水にもカリウム(K)やリン(P)が含まれているのでは?」と思われるかもしれませんが、
水に含まれるカリウムやリンは微量のため、植物の成長には足りません。
「でも、植物は光合成によって養分を得ているのでは?」という疑問を持つ方もいるでしょう。
確かに、光合成によってデンプン、ショ糖、脂質、タンパク質等を作り出すことができますが、植物の三大栄養素であるチッ素(N)・リン酸(P)・カリ(K)を作ることはできません。
要するに、光合成によって作られる養分にも限界があるということです。
栽培環境が寒い
育てている場所の温度が低いと、葉が小さくなります。
イメージ的には縮こまる感じです。
ポトスの栽培適温は20℃以上、5月~11月くらいまでは屋外でも育てることができるため、温度に関しては特に心配する必要はありません。
しかし、11月後半以降など最高気温が20℃を下回るようになると、室内で栽培する必要がでてきます。
そして、室内でも10℃を下回るような環境だと、成長がかなり緩やかになり、茎もあまり伸びず、新しく出る葉も小さくなります。
これは厳しい寒さを耐えしのぐための省エネ活動です。
小さい鉢で育てている
株の大きさに対して栽培している鉢のサイズが小さくなると、新葉は小さくなっていきます。
また一般的に植え替え時は一回り大きいサイズの鉢で栽培するといわれていますが、反対に小さい鉢で育てると葉も小さくなります。
これは限られたスペースでしか根が伸びないため、吸収できる水分や養分も減り、葉に十分栄養が回らないからです。
それによって葉を小さくするのは、生き延びるための知恵です。
湿度不足・過乾燥
水不足や空中湿度が低くなる等、栽培環境を乾燥させ過ぎると葉が小さくなることがあります。
植物は常に蒸散(じょうさん)というはたらきをしています。
蒸散の目的は根から水や養分を吸い上げたり、体温調節です。
葉がたくさんあったり、葉の面積が大きければその分蒸散量も増えます。
しかし、吸い上げる水分自体が少ないにもかからず、葉の量や面積が大きかったらどうなるでしょうか?
人間に例えると脱水状態になります。
そこで、植物は葉を落としたり、葉の面積を小さくすることで過酷な環境に適応しようとします。
葉を大きくするためには、水やりと霧吹きを定期的に忘れず行うこと。
特に小さい鉢で栽培しているとすぐに乾燥するため注意です。
葉が小さくなるのはデメリットばかりではない
ポトスの葉が小さくなるのは必ずしもデメリットとは限りません。
例えば、小さい鉢で育てると水のやり過ぎによって根腐れをする確率がグンと下がります。
なぜかというと、鉢が小さいので水をやっても直ぐに乾くからです。
ただ、その分水やりの頻度は増えます。
また、大きくするだけが園芸ではありません。
盆栽がいい例ですが、小さく可愛く仕立てるのも園芸の楽しみ方の1つです。
しかし、「ポトスの葉が小さくなって困る!」
「どうしても大きい葉にしたい!」方は自然界のポトスの育ち方を真似ます。
ポトスは上方へ行けば行くほど葉が大きくなる性質があります。
とりあえず支柱に絡ませて、がっちり根を張らせるところからスタートします。