ポトスの葉に穴があきました。なにかの病気でしょうか?
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- 葉に茶色い斑点・シミ・穴があく原因
- 炭疽病について
- 炭疽病の対処法・予防対策
本記事の信頼性
- ポトス50種以上の栽培歴・コレクター
- グリーンアドバイザー
(公益社団法人日本家庭園芸普及協会) - フラワーショップ経営
本記事を書いている私はポトス50種類以上の栽培歴を持つポトスマニアです。
今回は、“ポトスの葉に茶色い斑点シミ・穴があく原因【炭疽病】”についてご紹介します。
ポトスの葉に茶色い斑点・シミ・穴があく原因
最も多い原因は炭疽病(たんそびょう)です。
ポトスの炭疽病(たんそびょう)
根本原因:糸状菌(カビ)
症状:葉の表面に円形の茶色い斑点、シミができ、時間が経過すると穴があく。茎にも伝染し茶色から黒く変色。
発症条件:日当たり&風通し不良の高温多湿下(目安:温度20~25℃、湿度50%以上)
二次被害:強光による葉焼け、低温冷害で弱った葉で繁殖→伝染により拡散
炭疽病(たんそびょう)の症状
初期症状として、写真左側のように葉の一部が丸く茶色くなります。
葉に穴があくのは典型的な症状
こちらは外側からも侵食しています。
内側、外側に被害が及ぶことで写真右下の方は、葉が外側から裂けていますね。
こちらは炭疽病にかかったポトスエンジョイ
炭疽病はカビなので、一枚だけでなく胞子が伝染していきます。
炭疽病は葉だけじゃなく茎にも広がります。
こちらは炭疽病によって茶色くなったゴールデンポトスの茎
やがて黒く変色していきます。
炭疽病の対処法と予防対策
対処法 GFベンレート水和剤の散布
炭疽病は糸状菌(カビ)が原因のため、水はねなどにより胞子が飛んで周囲に伝染してしまいます。
そのため、原則は焼却処分します。
しかし、確実に効果があるとはいえないのですが、GFベンレート水和剤を散布してみる方法もあります。
なぜかというと、GFベンレート水和剤の説明書きにはポトスに適用できるか記載がないからです。
ただ、実際に私が炭疽病にかかったゴールデンポトスに散布したところ、効果があり治ったので一応やり方を紹介します。
水1ℓあたりGFベンレート水和剤一袋を混ぜて与えるだけです。
かき混ぜる白く濁ります。
通常の水やりと同じように与えるだけ。
とりあえず、他の植物から隔離して様子を見て下さい。
あくまでも炭疽病の原則的対処法は焼却処分ですので、GFベンレート水和剤散布はご自身の責任においてお願い致します。
予防対策
できる予防対策として
- 室内の日当たりで栽培
- 隣同士の植物を密集させない
- 茎や葉を茂らせ過ぎない
- チッ素肥料を与え過ぎない
炭疽病の発生条件が、日当たり&風通し不良の高温多湿下なので、反対の環境で栽培することが予防対策になります。
室内の日当たりで栽培
ポトスは日陰でも育つ耐陰性のある植物です。
しかし、ベストポジションは室内の日の当たるレースのカーテン越しなど、“半日陰”といわれる場所です。
ですので、今までほとんど光が当たらない場所で栽培し炭疽病に症状が見られた場合は、栽培場所を移動しましょう。
隣同士の植物を密集させない
色々な品種を収集すると、どうしても置き場所の隣同士の間隔が狭くなちがちです。
そうすることで、風通しが悪くなりカビが好む環境を作り上げてしまいます。
ですので、できるだけ植物と植物を密集させないような置き方を工夫しましょう。
茎や葉を茂らせ過ぎない
ポトスはとても生育が早い丈夫な植物です。
その反面、茂り過ぎてしまいカビの温床になりがちです。
ですので、定期的に茎葉を切ってスッキリさせてあげましょう。
取り除いた葉のついた茎は、挿し木繁殖用として再利用できます。
チッ素肥料を与え過ぎない
植物の三栄要素であるチッ素(チッソ(N)リン酸(P)カリ(K)ですが、そのうちチッ素は主に葉を茂らせる役割がある要素です。
そのため与え過ぎると、過繁茂(かはんも)といって無駄に葉が多くなります。
葉を楽しむのだから良いのでは?と思うかもしれませんが、肥料の与え過ぎは逆に耐病性が弱まるなど、生育によくありません。
炭疽病以外の原因
葉に穴があくということはありませんが、品種によって日焼けや代謝不良により茶色いシミができてしまうことはあります。
例えば、こちらのエメラルド(エンジョイライム)という品種にできた茶色いシミ。
一見すると炭疽病に見えますが、違います。
エメラルドのような斑入り品種は、基本的に性質が弱いため、ちょっとした水加減により代謝バランスが崩れ、症状の1つとして葉にシミができることがあります。
炭疽病以外に葉の調子が悪くなる原因は以下を参考にしてください・