ポトスの鉢からコバエがわきました。どうすればいいですか?
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- コバエが発生する原因
- コバエの対処方法
- コバエの予防対策
本記事の信頼性
- ポトス50種以上の栽培歴・コレクター
- グリーンアドバイザー
(公益社団法人日本家庭園芸普及協会) - フラワーショップ経営
本記事を書いている私はポトス50種類以上の栽培歴を持つポトスマニアです。
ポトスの鉢からコバエが飛び回って困る!など
害虫被害については直ぐに対処したい方も多いでしょう。
この記事ではコバエの画像は一切載せていません!安心して
“ポトスにコバエがわく5つの原因と駆除方法”についてご覧ください
コバエの特性
- 高温多湿を好む(梅雨時期は要注意)
- 腐葉土など有機質物質に卵を産む
ポトスにわくコバエはキノコバエという種類のハエで、高温多湿の環境を好みます。
そして腐葉土など有機質物質に卵を産む性質があります。
ポトスにコバエがわく5つの発生原因
- 元々鉢土の中にいた
- 水のやり過ぎ・排水不良による土の加湿
- 受け皿に水を溜めっぱなし
- 有機質肥料を使った
- 有機質が配合された用土で植え替えた
元々鉢土の中にいた
購入した鉢にすでにコバエがいることがあります。
明らかに鉢の周りを飛んでいればわかるのですが、土の中に卵が産み付けられていた場合は気付きません。
水のやり過ぎ・排水不良による土の加湿
コバエが発生している鉢の土を見ると、色は黒く全体的に湿っていることが多いです。
これはお水のやり過ぎによる土の加湿や、鉢の形状のせいで排水がうまくいかなかったことが原因です。
例えばコレ。昭和の昔からポトスといえばこの鉢に植わって販売されていますが、排水性に関しては極めて不親切な形状をしています。
まず中鉢には排水口がなく、白い部分は装飾に過ぎません。
受け皿に水を溜めっぱなし
コバエは多湿を好みますので、常に水がある状態はあえて呼び寄せているようなものです。
シクラメンやアジサイなど受け皿に水を溜められる底面吸水鉢を使用した鉢物もありますが、基本的に植物は鉢皿に水を溜めてはいけません。
なぜかというと、水やりの役割は単に水分補給のためだけでなく、鉢内に滞留している汚れた空気やゴミを押し出して浄化する役割もあるからです。
ということは、受け皿に水を溜めたままにすることは、汚れた水を再び植物に吸水させていることになります。
有機質肥料を使った
コバエは有機質物質に卵を産むだけでなく、エサとなり繁殖原因の1つにもなります。
よく“有機質(ゆうきしつ)”という言葉を目にすることがあると思いますが、有機とは「生きているもの」を意味します。反対に無機(むき)とは「生きていないもの」です。
- 有機(ゆうき)・・・生きているもの
- 無機(むき)・・・生きていないもの
つまり、有機質肥料とは動物、植物、微生物など生きているものを原料とした肥料のことです。
有機質肥料
動物・植物・微生物由来を原料としたもの(油粕、魚粉、バッドグアノ、バークたい肥、ぼかし肥料など)
これらの有機質肥料を追肥のように栽培途中で与えた場合、コバエの発生・繁殖原因になることがあります。
有機質が配合された用土で植え替えた
有機質用土
動物・植物・微生物由来の土(たい肥、腐葉土、培養土、肥料配合用土、庭土等)
植え替え用土=赤玉と腐葉土!という昔ながらの王道の配合法則があるため、ポトスの植え替えにも利用する方がいます。
しかし、コバエ対策としては腐葉土など有機質物質が配合された土を使わないことをおすすめします。
腐葉土とは枯れ葉を時間をかけて発酵させたもので、樹木や草花を育てるのには適した土の一種ですが、
コバエが卵を産むため、ポトスを始めとした室内栽培の観葉植物には適さないんです。
初心者の方が陥りやすいのは、培養土を使用してしまうケースです。
培養土は野菜や花などの植え替えに万能なのですが、有機質肥料が配合されていることがほとんどのため、
腐葉土と同じくコバエ発生、繁殖原因になりえます。
今すぐコバエを駆除する対処、対策方法
- エサとなる有機質物質を取り除く
- 水やりの頻度を減らし乾かし気味に管理
- 土からわいたコバエ退治粘着タイプの利用
- 飛び回るコバエ退治プッシュ式スプレーの利用
エサとなる有機質物質を取り除く
- 新しい無機質用土に植え替える
- 有機質肥料を取り除く
新しい無機質用土に植え替える
コバエが発生したら土ごと植え替えるのが最も手っ取り早いです。
室内観葉植物用などの無機質用土を使い、植え替えて下さい。
商品によっては“コバエが寄りにくい”などと記載されています。
有機質肥料を取り除く
コバエが好む有機質の肥料を取り除く、今度は一切使わないことです。
ポトスに使う肥料は無機質肥料である化学肥料を利用しましょう。
水やりの頻度を減らし乾かし気味に管理
コバエは多湿環境を好むため、水やりをしたら表面は直ぐに乾くように工夫します。
春や夏など、気温が高く湿度が高めの時期であれば水やり後比較的すぐに土は乾きますが、冬期など低温期はなかなか乾きません。
水やりの頻度を減らし、乾かし気味に管理する方法もありますが、おすすすめなのはサーキュレーターの利用です。
サーキュレーターを活用しよう!
ポトス栽培初心者の方はほとんど馴染みがないと思いますが、観葉植物マニアはほぼサーキュレーターを利用しています。
サーキュレーターは水やり後の土の表面を早く乾かすため、湿潤を好むコバエ対策になります。
またポトスを含む観葉植物栽培には「ゆらぎ、風」が重要であり、自生地である熱帯雨林・亜熱帯雨林の環境を再現するのに適しています。
サーキュレーターはコバエやカビ防止だけでなく、代謝などポトスの順調な生育の助けになります。
土からわいたコバエ退治粘着タイプの利用
とりあえずすぐにできる手段として殺虫剤散布があります。
ゴキブリや蚊の駆除商品で有名なアース製薬の園芸ブランド、アースガーデンが販売しているボタナイス(BotaNice)土からわいたコバエ退治粘着剤です。
こちらは粘着剤を土に刺し、物理的にコバエを捕殺するタイプの商品。
一時的な対処法にはなりますが、とりあえずはコバエを取り除くことができます。
BotaNice 土からわいたコバエ退治 粘着剤タイプ 4個入
飛び回るコバエ退治プッシュ式スプレーの利用
同じくアース製薬の殺虫剤ですが、こちらはスプレーすることで広範囲のコバエを退治、駆除するタイプです。
お部屋の中やベランダ、植物周りなどに散布して使います。
有効成分であるトランスフルトリン、フタルスリンは農薬ではない為、室内散布は問題ないとされています。
BotaNice 飛びまわるコバエ退治 1プッシュ式スプレー 60回分などがあります。
ポトスに付く害虫にはコバエだけでなくコナカイガラムシなどもいます。
こちらの対処方法も参考にして下さい。