ポトスを土に挿して増やす“土挿し”方法について教えてください。
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- 土挿しの成功条件
- 土挿しの具体的な手順
- 土挿しで失敗しない土の種類
本記事の信頼性
- ポトス50種以上の栽培歴・コレクター
- グリーンアドバイザー
(公益社団法人日本家庭園芸普及協会) - フラワーショップ経営
本記事を書いている私はポトス50種類以上の栽培歴を持つポトスマニアです。
今回は、“ポトスの土挿しのやり方”についてご紹介します。
土挿しの成功条件
- 土挿しの時期
- 土挿しの置き場所
土挿しの時期
ポトスの土挿しにふさわしい時期は5月~6月です。(直射日光が当たらない環境であれば7~9月も可能)
なぜかというと、この時期の温度・湿度環境が発根に適しているからです。
- 時期 5~6月
- 気温 20℃~25℃
- 湿度 70~80%
ただ、今回私は冬でも出来るか確かめるため、2月~4月にかけて実験しました。
結果として室内で温度と湿度が上記を保てれば、冬でも土挿しは可能です。
土挿しの置き場所
屋外 | 日陰 |
室内 | なるべく太陽光が当たらない場所 |
挿し木したあとの管理場所は、屋外であれば日陰です。
室内ではなるべく太陽光が当たらない場所が良いです。
なぜ日当たりがダメなのか?というと、すぐ土が乾いてしまうから。
根が出るまでは土が乾かないようにします。
土挿しの具体的な手順
- 挿し穂
- 光を通さない容器
- さし芽種まきの土
茎を切る場所
挿し木をするための茎(挿し穂)を親株から切り分けます。
だいたい節が2~3つあるところで切り分けると良いです。
気根(きこん)と呼ばれる根が付いている茎は丈夫なため、発根確率が上がります。
切る場所をさらに詳しく知るには>>ポトスの挿し木 切る場所を写真解説【永久保存版】
挿し床(さしどこ)
挿し床(さしどこ)とは、挿し木をするための茎(挿し穂)を挿す場所。
このような挿し木専用グッズが販売されています。
さし芽種まきの土
「さし芽種まきの土」は㈱花ごころが販売している挿し木専用土です。
今回私が行った実験の中で最も優れた用土です。
挿し木方法
まず先に土を濡らします。
発根促進剤「ルートン」を用意します。
粉状になっています。
挿し穂に発根促進剤ルートンを軽くつけます。
先に割りばしで土に穴をあけます。
そうしないと挿すときに発根促進剤が取れてしまうから。
挿し穂を土に挿します。挿し木完了です。
これで挿し木作業は完了です。
あとは土が乾かないように毎日チェックして、発根するまで待ちます。
最低1ヶ月は様子をみましょう。
発根
根が出ました。
挿し木開始から2ヶ月経過した様子です。
ちょっと時間がかかり過ぎですが、これは挿し木の適期ではない冬からスタートしたためです。
ただ、冬からでも室内の温度・湿度環境が保てればこのように発根します。
移植
根が出たら、だいたい2.3~3号ポットに移植します。
大きいポットに植えると水分過多になりすぐに枯れるからです。
土を1/4程度入れたら挿し穂を入れます。
さらに土を足して移植完了です。
この状態でポット内に根が張れば最終的な挿し木の成功です。
実験!土挿しで失敗しない土の種類
結論からいうと、ポトスの土挿しで失敗しない土は「さし芽種まきの土」か「バーミュキュライト細粒」の2つです。
実際に10種類の土の中で、挿し木に失敗しない土はどれか調べてみました。
実験に使用した土の種類
- 培養土
- ベラボンプレミアム
- 川砂
- バーミキュライト細粒
- 鹿沼土小粒
- さし芽種まきの土
- 室内向け観葉・多肉の土
- 乾燥水苔
- 生水苔
- 赤玉土小粒
管理環境
- 室温 20~25℃
- 湿度 30~40%
- 置き場所 直射日光の当たらない室内
土挿しに失敗しない用土ランキング
- 1位 さし芽種まきの土
- 2位 バーミキュライト細粒
- 3位 川砂
- 4位 ベラボンプレミアム、赤玉土小粒
- 5位 鹿沼土小粒
- 6位 乾燥水苔、生水苔
- 7位 室内向け観葉・多肉の土
- 8位 培養土
2月22日 土挿しスタート
①から⑩それぞれ濡らした土に挿し穂をさしていきます。
3月6日 ①培養土の挿し穂が黄味がかる
全体の様子
あれれ!早速①培養土の挿し穂が黄色くなってきました(-_-;)
3月9日 ①培養土 失敗
全体の様子
①培養土の挿し穂が茶色くなってきました。
葉が黄色くなってきた前回の時点で失敗です。
そして気になるのは⑦室内向け観葉・多肉の土の挿し穂が黄色くなってきました。
3月11日 ⑦観葉多肉の土 失敗
全体の様子
⑦室内向け観葉・多肉の土の挿し穂が完全に黄色くなりました。
この時点で⑦は失敗です。
実際に引っこ抜くとこんな感じで根が出ていません。
そして⑧乾燥水苔、⑨生水苔の葉も黄色味を帯びてきました。
3月14日 ⑧⑨水苔 失敗
全体の様子
⑧乾燥水苔、⑨生水苔も完全に葉が黄色くなったので失敗です。
3月23日 ⑤鹿沼土小粒 失敗
全体の様子
⑤鹿沼土小粒の挿し穂が黄色く枯れたため失敗。
鹿沼土は挿し木に適した用土なのですが、ダメでしたね。
4月1日
全体の様子
②ベラボンプレミアムの挿し穂がちょっと黄色味を帯びてきました。
4月8日 ②ベラボンプレミアム⑩赤玉土小粒 失敗
全体の様子
②ベラボンプレミアム失敗です。
⑩赤玉土小粒も黄色くなったので失敗です。
4月18日
全体の様子
③川砂の挿し穂が黄色味を帯びています。ちょっと水やりが多すぎたかもしれません。
4月20日 ③川砂 失敗
予想通り③川砂の挿し穂が黄色くなったので失敗。
挿し木の場合は一度葉が黄色くなったら、その時点で失敗です。
この通り、腐っていますね。
川砂は途中まで元気だったのでまさか根が出ていなかったとは。。。
さぁ残すは④バーミキュライト細粒⑥さし芽種まきの土どちらがしっかり発根しているでしょうか。
4月22日 実験終了
2月22日から2ヶ月経過したので、挿し穂を取り出します。
④バーミキュライト細粒⑥さし芽種まきの土どちらも発根しています。
2つを比較すると⑥さし芽種まきの土の方が根の数が多いです。
④バーミキュライトの方も根は出ています
しかし、⑥さし芽種まきの土の方は細かい根も複数出ていることが分かります。
ですので、当サイトでは根の多さからポトスの土挿しに最適なのは「さし芽種まきの土」と結論づけます。
土挿しにおすすめは「さし芽種まきの土」
最後までポトスが枯れずに丈夫な根がたくさん出たのは「さし芽種まきの土」でした。
さし芽種まきの土
原材料 | バーミキュライト、パーライト、ピートモス、鹿沼土 |
今回、全10種類の土を使って実験しました。
初心者がカンタン確実に発根させるには、「さし芽種まきの土」を使うことをおすすめします。