葉に白い粉?綿のようなものが付着しています。取り除いても繰り返し出てくるのですが、どうしたらいいでしょうか。
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- 白い粉・綿の正体
- コナカイガラムシの対処方法
- コナカイガラムシの予防対策
本記事の信頼性
- ポトス50種以上の栽培歴・コレクター
- グリーンアドバイザー
(公益社団法人日本家庭園芸普及協会) - フラワーショップ経営
本記事を書いている私はポトス50種類以上の栽培歴を持つポトスマニアです。
きれいなポトスの葉に白い綿のような粉っぽい物体があるのを見たことはありませんか?
栽培していると必ずと言っていいほど被害にあいます。
“ポトスの葉に白い粉・綿がつく原因【コナカイガラムシ】”についてご紹介します。
白い粉・綿の正体はコナカイガラムシ
結論からいうと、ポトスの葉や茎などにつく白い粉、綿の正体はコナカイガラムシです。
成虫(下写真中央の白いもの)はゲジゲジした足が見えますが、幼虫は粉状に見えるので肉眼では形まで見えないと思います。
コナカイガラムシは吸汁性害虫(きゅうじゅうせいがいちゅう)といって葉に針を刺し、中の養分を吸い取ってしまいます。
それと同時に病原菌を中に入れてしまうこともあります。
また甘露(かんろ)といって、糖分をもったシロップ状の排泄物(おしっこ)をまくため、葉がベタベタになることがあります。
甘露(かんろ)・・・コナカイガラムシ等が排泄する糖分の液体
それにより、光合成が邪魔されたり、ベタベタしたところを栄養源としてカビが発生し、葉が黒ずんだようになるすす病になります。
カビが発生した状態=すす病といいます。
つまり、コナカイガラムシは最終的にポトスを枯らす厄介な害虫です。
ただ、吸汁性(きゅうじゅうせい)といっても、ポトスが枯れるまで相当時間がかかると思います。
実際私自身、コナカイガラムシによって枯らしたことはありませんし、すす病になったこともありません。
おそらくそうなるまで放置すると、葉にたくさん白い粉、綿が付きますし、なにより見ていて気持ち悪いはず。
そこまでいくと、もはや捨てた方が良いレベルです。
たいていの人は悪化する前に対処します。
発生原因は高温・乾燥下での栽培
コナカイガラムシの発生原因は何かというと、高温&乾燥した環境での栽培です。
具体的にいうと、11月以降の冬など室内に取り込み、暖房が効いた部屋でよく発生します。
温室など、温かくて密閉された空間も同じです。
特にたくさんの種類の植物を密集させて置いておくと、次から次へと広がってしまいます。
コナカイガラムシの対処法
- 濡れたティッシュなどで拭き取る
- 殺虫剤散布
濡れたティッシュなどで拭き取る
まず、私自身がやっているのは見つけ次第、濡らしたティッシュで白い粉・綿を掴むように拭き取ります。
ティッシュを濡らすのが面倒くさいときは、ウェットティッシュを使っています。
ポトスは丈夫なのでアルコール成分が含まれていても傷みませんし、枯れません。
多分、対処法として一番手っ取り早くて効果があります。
ちなみに水をかけた程度では死滅しません!
水をかける前
水をかけた後
しぶとい!!!
流水でこすりおとすくらいしないとダメです。
殺虫剤散布
コナカイガラムシの対処法として殺虫剤散布があります。
ただ、結論から申し上げますと、一定の効果はありますが散布してもまた発生します。
なぜまた発生するのか?というと、土の中にいたり、葉の付け根の元、鞘の中の方に幼虫がいる、または周りに置いてある別の鉢から移動して来るなどです。
私も大量のコナカイガラムシに汚染されてしまったときは、用量関係なく遠慮なくジャバジャバスプレー散布してしまいます。(本当は容量守った方が良いですが、かけ過ぎても大丈夫という話)
それでも葉には付かなくなるのですが、葉の付け根に再発することはよくあります。
あと、やはり殺虫剤をまくと臭いが付着します。
特に冬場の室内は暖房付けたり、加湿器を使用すると思いますが、
そうすると、多少臭いが回って気になります。
なので、ペットを飼っている方や小さいお子さんがいるご家庭、衛生面で気になる方は(植物を部屋に入れてる時点で衛生的かどうかは疑問ですが、、、)おすすめしません。
コナカイガラムシ被害に遭わない対策
- 毎日観察して見つける
- 予防的な殺虫剤散布
- 【乾燥防止】葉水・葉を洗う
- 【風通し向上】サーキュレーターの活用
- 棚の掃除
毎日観察して見つける
一番原始的で効果的なのが、毎日ポトスを観察してコナカイガラムシがいたら拭き取ることです。
最低でも1週間に1回はよく観察して下さい。
ただ、忙しい人、ズボラな性格の人にとっては面倒くさいの一点!
私などたくさんのポトスを栽培しているので、正直この作業は本当に嫌です。
種類が増えれば増えるほど、コナカイガラムシ対策も大変になることを覚えておいてください。
コナカイガラムシが発生しやすい場所
基本的にどの部分にも発生するのですが、特に被害に遭いやすい場所を紹介します。
- 葉の表全体
- 葉の表のくびれたところ
- 葉の裏全体
- 新葉
- 葉の付け根(葉腋(ようえき)
- 茎
葉の表面
葉の表側はいちばん分かりやすい場所です。
葉の表のくびれたところ
葉の表側の中心線(=主脈といいます)の下、くびれた場所によくつきます。
葉の裏全体
葉の裏側にもよく付きます。見えにくい場所のため見逃してしまうこともしばしば。
こまめにチェックしておきましょう。
新葉
新しい葉、若葉は開く前からすでにカイガラムシが隠れていることがあります。
葉をめくると大概います。
葉の付け根(葉腋(ようえき)
茎と葉の付け根のことを葉腋(ようえき)といいます。
よくココの溝に発生するため、つまようじとウェットティッシュなどを使って拭き取ります。
茎
茎全体にも付きます。株の根元は掃除しにくいため、増殖しないうちに取り除きます。
予防的な殺虫剤散布
基本的にコナカイガラムシの殺虫剤散布は発生した後におこなうものです。
しかし、私は予防的な意味合いで発生前に定期的な散布をしています。
観葉植物生産者さんのハウス(圃場)では、植物が隣同士ひしめき合って栽培されていますよね。
なぜ自宅で複数栽培するとカイガラムシが発生するのに、生産者さんでは発生しないのか疑問に思ったことはありませんか?
実は定期的な農薬散布をしているからです。
植物に限らず野菜でもフルーツでも、無農薬を除き店頭に並ぶ一般的な商品にほぼ農薬が散布されています。
【乾燥防止】葉水・葉を洗う
カイガラムシは乾燥には強いですが、濡れた葉に弱いです。
そのため、霧吹きで葉に水をかける“葉水”(専門用語でシリンジといいます)をしたり、定期的に葉をまるごと水で洗い流すと良いです。
ただし、実際にカイガラムシ被害に遭ってからだと、少々洗い流した程度では死滅しません。
室内の霧吹きって家具や床が濡れたりして嫌ですよね。
なので、私は葉水や葉を洗うときは鉢ごと洗面所に持っていって、霧吹きをかけたり、葉を洗ってしまいます。
葉についた水をササっと落として、元の場所に戻せば、家具濡れ防止になります。
頻度は1週間に1回程度。やる時間は日中にして下さい!
基本的にポトスは日中、光合成や代謝をして夜は休みます。
夜は活動がゆるやかになるため、葉水を与えると処理しきれず葉傷みにつながります。
ポトスの葉は肉厚のため丈夫ですが、場合によってはシミになることもあります。
【風通し向上】サーキュレーターの活用
コナカイガラムシは空気が溜まるような、よどんだ場所を好みます。
ポトスに限らず、観葉植物の元気な生育には“ゆらぎ”といって、ほどよい空気の循環が必須です。
植物学的には代謝が良くなるため。
ですので、サーキュレーターを回すのが最適なのですが、電気代もかかるしそんなもんいちいち回してられないわ!って方も多いと思います。
なので、鉢数が少ないのであれば、隣同士の間隔を空け、風通しの良い場所に置くことでカイガラムシ対策になります。
で、複数鉢ポトスを育てている方はサーキュレーターは必需です。
ただ、私もポトスのために、ボルネードのサーキュレーターを半日以上回しっ放しですが、それでもコナカイガラムシは付きます。
つまり、いくら風通しを良くしていても、どこかに1匹でもいれば被害に遭います。
棚の掃除
ポトスをたくさん育てている方は、2段あるいは3段の棚、スチールラックなどに置いていると思います。
実はコナカイガラムシは棚の裏や継ぎ目などを住処にして生きていることがあります。
そのため、いくらポトスの葉を拭いたりしても被害に遭い続けます。
実際に私の例ですが、よく栽培していた棚の下に白い粉のようなゴミが落ちていることがありました。
掃除機で床をきれいにしてもまた汚れる。
そして棚を解体したところ、棚と板のつなぎ目から大量のコナカイガラムシが舞い上がりました。
暗くて湿気があったのかカイガラムシにとって好環境だったようです。
ですので、ポトスだけでなく定期的に置いている棚、ラックも掃除することをおすすめします。
まとめ
最後に、次の被害に遭わたないために私なり意見を載せておきます。
私の意見
- 毎日観察して捕殺が効果的
- 予防的な殺虫剤散布
- 週一で葉水・葉を洗う
- 風通し良く!サーキュレーターがあればベスト
- 棚の裏などにも生息しているので掃除必須
コナカイガラムシ対策はとにかく面倒くさいですが、根気よく捕殺を継続すれば、コナカイガラムシも数が減り、絶滅します。
もちろん、また発生条件がそろってしまうと出現しますが、何もしないよりはマシです。
なるべく早めに根気よく対処していくと良いですね。