テルノアマゾンの特徴や育て方について教えてください。
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- テルノアマゾンとは
- テルノアマゾンの特徴
- 葉脈の見える明るい葉を出すコツ
本記事の信頼性
- ポトス50種以上の栽培歴・コレクター
- グリーンアドバイザー
(公益社団法人日本家庭園芸普及協会) - フラワーショップ経営
本記事を書いている私はポトス50種類以上の栽培歴を持つポトスマニアです。
最近、コアな園芸店ではよく見かけるようになったポトス❛テルノアマゾン❜
ジャングルを思い起こさせる草姿からその名が付いています。
この記事では初心者は難しい明るい葉の出し方とともに
“テルノアマゾンの育て方”についてご紹介します。
テルノアマゾンとは
テルノシリーズナンバー | No.14 |
系統 | ゴールデン |
誕生歴 | バレンシアの枝変わり |
登録番号 | ー |
出願番号 | ー |
農林水産植物の種類 | ー |
品種名称 | ー |
出願日 | ー |
出願公表日 | ー |
出願者名/育成者権者名 | ー |
登録年月日 | ー |
登録公表日 | ー |
育成者権の消滅日 | ー |
テルノアマゾンの特徴
テルノアマゾンはバレンシアの枝変わり品種。
“アマゾン”という名前だけあり、個体によってさまざまな斑のパターンが出現します。
全体的に濃い緑色の葉が多いですが、中には砂子斑や散り斑、はけ込み斑のような葉、
一部くすんだ黄緑色ベースにくっきりとした濃緑色の葉脈が見える葉が出現します。
ただし、夏から秋にかけて緑色が濃くなり斑が不鮮明になります。
テルノアマゾン育て方!葉脈の見える明るい葉を出すコツ
テルノアマゾンは購入した当初は、葉脈がくっきりとした明るい葉があるのに、自宅で栽培していると斑が薄くなり春になっても緑葉ばっかりになることがよくあります。
おそらく、ほとんどの消費者は以下のような緑の葉ばかりで悩んでいるのではないでしょうか。
事実、私が室内で栽培しているアマゾンも新葉は明るい葉が出てきますが、葉脈が見える葉は出せません。。
結論 温度+日照の強さ・長さが重要
明るい葉脈が見える葉を出すには温度+日照の強さ・長さが重要です。
温度だけ、日照だけのように1つの条件だけでは難しいです。
以下は日照に注目した実験についてです。
仮説
葉脈の見える明るい葉を出現させる条件は、温度+日照の強さ・長さである
根拠
冬期の室内で室温15~25℃、湿度30~40%を保っていましたが、出てくる新葉は緑色ばかりでした。
つまり、室内栽培&温度だけでは明るい葉を出すことは難しいのでは?
一般的にポトスは日陰に置くと斑を消し緑色に戻ろうとします。
なぜかというと、斑の部分には光合成をするための葉緑体がないため、できるだけ多くの面を緑色にすることで葉緑体を増やすことができるからです。
推測
一方、斑入りの明るい葉を出しているということは、斑を消してまで光合成する必要のないバランスのいい状態と推測できます。
つまり、照度は足りているはず。
ということは、照度の違う置き場所に変えることで、なにか葉に変化があるのではないか?と考えました。
置き場所による葉の変化
- 半日陰(レースのカーテン越し)
- 室内の窓際
- 炎天下
- 屋外のシェード下
置き場所 | 照度(lux) | 葉の状態 | |
半日陰(レースのカーテン越し) | 2000~6000 | 明るい葉は出ない | × |
室内の窓際 | 7000~8000 | 明るい葉は出るが葉脈まで見えない | △ |
炎天下 | 10000~ | 葉焼けする | × |
屋外のシェード下 | 7000~8000 | 葉脈の見える明るい葉が出る | ◎ |
半日陰(レースのカーテン越し) 照度およそ2000~6000lux
私たち素人がポトスの栽培場所として常識だと思っている“半日陰”(レースのカーテン越し)では、テルノアマゾンの葉脈が見える明るい葉を出すのは難しいです。
室温は足りても葉脈の見える葉を出させるだけの照度を得るのが困難。
室内の窓際 照度およそ7000~8000lux
窓際に置いて栽培していましたが、新葉は葉脈が見えるほど明るくありません。
良くてもこのくらいの明るさ(下写真)です。
ただ、もう少し時間が経過して葉が大きくなると、さらに色が濃くなってしまいます。。
炎天下 照度およそ10000lux~
日照の強弱の実験を行いましたが、やはり3月でも強光下では葉焼けをしてしまいました。
だいたい直射日光が当たる場所に置いて10日で以下のような葉焼け状態に。。
光が強すぎる証拠です。
屋外のシェード下 照度およそ7000~8000lux
直射日光が当たる場所からシェード下に移動して8日目の状態です。
なんと、根元から葉脈の見える明るい新葉が出てきました!
はっきりとした原因はわかりませんが、室内で栽培していたときの温度(室温15~25℃)と変わらないため、日照が関係していることは間違いありません。
一応、屋外の気温も確認してみます。
以下は屋外に出した3/19から4/8までの20日間の最高気温と最低気温です(東京)
注目して欲しいのは4月に入ってから急激に最高気温が20℃前後に上昇していることです。
日付 | 最高気温 | 最低気温 |
3/19 | 15.5℃ | 4.4℃ |
20 | 19.2℃ | 6.1℃ |
21 | 18.5℃ | 10.8℃ |
22 | 23.8℃ | 12.4℃ |
23 | 19℃ | 13.9℃ |
24 | 25℃ | 15.9℃ |
25 | 11.9℃ | 9.8℃ |
26 | 12.3℃ | 10.4℃ |
27 | 16.9℃ | 11.3℃ |
28 | 13.4℃ | 7.9℃ |
29 | 18.6℃ | 8.3℃ |
30 | 19.7℃ | 10.1℃ |
31 | 20.1℃ | 10.4℃ |
4/1 | 23.3℃ | 10.3℃ |
2 | 19℃ | 11.1℃ |
3 | 18.4℃ | 10.1℃ |
4 | 21℃ | 7.7℃ |
5 | 21.8℃ | 9.8℃ |
6 | 23.4℃ | 16.3℃ |
7 | 21.3℃ | 17.1℃ |
8 | 21.1℃ | 13.9℃ |
やはり、葉脈が見える明るい葉が出現したのは、気温と日照の強さ・長さが影響したと考えられます。
温度に関して。冬期、室温15~25℃の環境下で栽培していましたが、葉脈の見える明るい葉は出ませんでした。
照度に関して。室内の窓際と屋外のシェード下の照度はおよそ7000~8000luxと同じでした。
つまり温度だけ、日照だけ、のように1つの条件だけでは葉脈の見える明るい葉を出すのは難しいことが分かります。
少し話は変わりますが、室内栽培のポトスは最低室温が20℃前後になる4月頃、新葉がどんどん出てきます。
根の動きが活発になっている証拠です。
「20℃」という数字がポトス栽培ではキーポイントな気がします。
このことからテルノアマゾンに関しても、最高気温20℃以上の環境下(屋外)で、葉焼けしない程度の日照(7000~8000lux)に20日程度当てれば、葉脈が見える葉を強制的に出せるのではないか?
と考えています。
生産者の栽培環境をマネをする
なぜシェード下の屋外で栽培したら葉脈の見える明るい葉が出たのでしょうか?
実は実験した後に気付いたのですが、生産者さんの栽培環境に似ていたからです。
テルノワールドさんのインスタを見ると、遮光したハウスの中にたくさんのポトスが置かれています。
テルノアマゾンもここで生産されています。
そう、「直射日光から遮光したハウス内の環境」を再現すれば良いわけです。
おそらく私がシェード下の屋外で栽培したときに、葉脈の見える明るい葉が出たのは栽培環境が近かったからです。
一般的に私たち素人は、ポトス栽培に適した場所は“室内のレースのカーテン越しのような半日陰”だと思っていますよね。
しかし、遮光した屋外にあるハウス内と住宅の室内では明らかに光量が違います。
照度で表すとおよそ3000~6000lux。場所によっては2000lux程度。
栽培場所 | 照度(lux) |
屋外の遮光下 | 7000~8000 |
室内の半日陰 | 2000~6000 |
つまり、テルノアマゾンの葉脈の見える明るい葉を出すには、室内の半日陰では全然光量が足りません。
明るさ(Lux)だけでなく、太陽光に当たっている長さ(時間)も不足しているはずです。
だから室内栽培している多くの人は、年間通して緑っぽいアマゾンになってしまうんですね。
とはいえ、ポトスのためにシェードを設置するのは大掛かりのため、窓に引っ掛けられる簡易的な日よけ・シェードや鉢に被せられる園芸用遮光ネットを利用することをおすすめします。
そのときに、照度が室内の半日陰(レースのカーテン越し)よりも明るいことを確かめて下さい。
また、屋外に出したくない場合は植物育成ライトを使用する方法もあります。
- 簡易的な日よけ・シェード
- 園芸用遮光ネット
- 植物育成ライト