ポトスの葉がブツブツでこぼこしているのですが、病気でしょうか?
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- 葉がブツブツ、でこぼこする原因
- 浮腫の対処方法
- 浮腫を起こさない予防対策
本記事の信頼性
- ポトス50種以上の栽培歴・コレクター
- グリーンアドバイザー
(公益社団法人日本家庭園芸普及協会) - フラワーショップ経営
本記事を書いている私はポトス50種類以上の栽培歴を持つポトスマニアです。
特に虫なども見当たらないのにもかかわらず、葉っぱがブツブツ、凸凹していることがあります。
“ポトスの葉にぶつぶつが!でこぼこする理由”についてご紹介します。
結論 浮腫(ふしゅ=Oedema(オデマ)
ポトスの葉がぶつぶつ・でこぼこする原因は浮腫(ふしゅ、Oedema(オデマ)であり、生理現象の1つです。
蒸散しきれないほどの水分を根から吸収したときに発生しやすいです。
バランスの取れた状態と水分を含み過ぎている状態を比較します。
バランスの取れた状態
見た目も張りがありますし、触るとキュッと締まっています。
水分を含み過ぎている状態
しわが寄り、むくんでいるのがわかるでしょうか?
この状態から悪化すると、浮腫の初期症状として、葉に薄い水疱やでこぼこ膨らんだ状態が見られます。
葉のおもて面
そして葉の内部組織である葉肉細胞に水圧がかかることで一部の細胞が破裂し、
内容物である水分が、細胞と細胞のすき間に漏れ出すことで、湿った部分ができることがあります。
それが原因で葉の一部が黄色、茶色、赤みを帯びた茶色、さらに黒色に変わり、古いものではコルク状の鱗片や、針で穴を開けたような線状の傷、イボ、コブのようなでこぼこが見られます。
葉の裏面
ミシン目のような針で穴を開けたような線状の傷が出ています。
透かして見ると葉の外部からの影響ではなく内部で起こっていることがわかります。
浮腫の対処方法
一度、傷んでしまった葉は元に戻すことはできません。
ただ、病気ではないため取り除く必要もないです。
実際に店頭に並んでいるポトスの中には、浮腫の傷跡が残った葉がそのまま付いているものがあります。
多くは葉の裏側に出るため、気にならなければそのままでもOK。
私は気になるタイプなので取り除いてしまうのですが。。
浮腫は生理現象の1つなので、根本的に防ぐことは難しいです。
ただ、原因が 【蒸散量 < 吸水量】 という理屈は分かっているため、気休めではありますが、浮腫を起こさない予防対策を紹介します。
浮腫を起こさない予防対策
- 夕方~夜に霧吹き、水やりをしない
- 空気を循環させて代謝→蒸散
- 植物同士を密にしない→剪定
夕方~夜に霧吹き、水やりをしない
植物は昼間、蒸散を活発に行い夕方~夜はしません。
そのため、夕方~夜に霧吹きや水やりをしてしまうと水分を溜め込み過ぎてしまいます。
そうすると、葉にシミが残ったり、内部が膨張したままになって体調を崩します。
なので、霧吹きや水やりは日中やってください。
理想は午前中です。
空気を循環させて代謝→蒸散
浮腫は葉が蒸散できる量を超えてしまったときに起こるので、日頃から蒸散を活発にさせます。
ただ、自然界と違い私たちが室内栽培するときに必要なのは、“人工的な風”です。
では、どうすればいいのか?
水やりをした後サーキュレーターを使って、人工的に室内の空気を回し代謝を促します。
植物の代謝とは光合成によって養分(糖類)を生産し、呼吸によって光合成で得た養分(糖類)を分解し、エネルギーを取り出すことです。
蒸散は代謝の過程で行われるため、このように人工的に風を回し代謝を促す必要があります。
私は少々乱暴ではありますが、ポトスに直接風を当てて土が乾くスピードを速めることもあります。
浮腫は冬から春にかけて起こると言われていますが、夏でも起こります。
その場合は直射日光を避け、風通しの良いところに吊るし干しをしておくと良いですね。
サーキュレーターいらずです。
植物同士を密にしない→剪定(せんてい)
前の項目である蒸散に関係しますが、ポトスを複数鉢栽培していると、隣同士が近くなり密になりがちです。
密になると空気の流れが悪くなり、うまく蒸散しきれないことがあります。
専門用語ではスペーシングといいますが、本来は隣同士の葉が重なりあわないように置くのが良いです。
生産者さんのハウスでは扇風機、サーキュレーターを回しているため蒸れを予防していますが、多くの一般家庭では観葉植物好きの方でない限り、人工的に風を回すことはしていません。
もちろん、サーキュレーターを使用するのが良いのですが、難しいのであれば隣り合っている植物同士を離したり、葉を間引いて(剪定)風通しを良くします。