あれれ!買ったときはきれいな模様が出ていたのに、知らないうちに薄くなった、消えている!?
などポトスの葉模様に関するトラブルに遭遇した人も多いのでは?
基本的に購入してからすぐにこのような現象に遭うことはありません。
しかし、長く栽培していると起こるのでぜひこちらでは
“ポトスの葉の模様(斑)が薄い!消える!葉色が濃くなる原因と対処方法”についてご紹介します。
黄色等の模様は斑(ふ)といって、光合成に必要な葉緑体がない部分
葉の模様(斑)が薄くなる・消える!葉色が濃くなる6つの原因
- 日照不足
- 肥料過多
- 過乾燥・水分不足
- 季節による変化
- 葉が古くなった(特に下葉)
日照不足
葉の模様(斑)が薄くなったり、消えてしまう1つ目の原因は日照不足です。
必要とする量の光が不足しているため、だんだんと薄くなったり、消えて緑色の葉一色になることがあります。
以下の写真をご覧ください。
こちらは我が家の玄関に置いてあるテルノロビンという品種です。
右側はドアのある方なので、ドア窓を通して多少、太陽光が入ります。
右側と左側で葉の模様(斑)の様子が違っているのが分かるでしょうか。
右側は鮮やかな模様(斑)が入っています。
一方、左側は近くに窓はあるものの、下垂している葉は完全に下駄箱により太陽光が遮られているため、葉の模様(斑)が薄くなったり、緑色一色になっています。
なぜ日照不足になると模様(斑)は薄くなり消えるのか
ズバリ、光合成をして多くの養分やエネルギーを作り出すためです。
植物は自ら光合成をすることで、成長に必要な養分やエネルギーを作ることができます。
ところが、模様(斑)の部分には光合成をする場所である葉緑体がありません。
必要とする光量が足りていれば、きれいな模様(斑)を維持できるのですが、
必要とする光量が不足すると、それらを維持できなくなります。
植物が歩いて日当たりの良い場所に移動することができればいいのです、無理ですよね。
そこで、自ら模様(斑)の部分を薄くしたり、消すことで、葉緑体のある緑色の部分を増やそうとします。
緑色の部分を増やすことで、現状日当たりの悪い場所でも、生きていくのに必要な光量を得ることができます。
肥料過多(ひりょうかた)
肥料の主成分であるチッ素(N)、リン酸(P)カリ(K)のうち、葉の生育を促すチッ素(N)が
多すぎると葉色が濃くなります。
肥料過多といっても、頻度だけでなく1回あたりの分量の問題もあります。
例えば固形肥料であれば鉢の大きさに対して分量が多すぎたり、液肥であれば希釈倍率が
濃すぎる、固形肥料+液体肥料だと多すぎるなどです。
水やりを控えれば当然鉢の中に肥料分が残ったままですので、蓄積されているとも言えます。
過乾燥・水分不足
水分不足というと少し語弊があるのですが、自生地のポトスは高温多湿下で生育しています。
つまり、自然界では土が乾燥している状態ってほぼありません。
一方、室内で楽しむ場合は「土が乾いてからたっぷり」って言いますよね。
しかし、極限まで乾かすことは逆にストレス!
植物が生育する目的は「子孫繁栄」なので、なんとか死なないように生き延びようとします。
できるだけ葉緑体を増やし光合成をしようとします。つまり、緑色の部分が増えるということです。
季節による変化
品種によりますが、寒くなってくると斑が不鮮明になり、春~夏にかけて鮮明になることがあります。
冬期に斑が不鮮明になる理由は、日照時間が短いことによる光合成対策です。
葉緑体のない斑部分をできるだけ無くして、緑色部分を増やし効率をあげるためです。
それならそもそも斑など必要ないのでは?と思うかもしれませんが、それはポトスの性質としてご理解ください。
なぜポトスに斑があるのか?という理由については、擬態(ぎたい)という説があります。
斑の模様がちょうど虫が葉を食べた跡に似ていることから、敢えて斑を出して擬態することで食害から守っていると言われています。
葉が古くなった(特に下葉)
葉の模様(斑)が薄くなる・消える2つ目の原因は葉が古くなったことです。
葉の下の方にある古い葉は、上部に茂っている若い葉に覆われているため、光が当たりにくいことから葉色は濃くなる反面、模様(斑)は薄くなる傾向があります。
そして、私たち人間と同じように、葉にも老化現象があります。
若い人の肌にはツヤやハリがありますが、歳をとるとそれらが無くなってきますよね。
葉の模様(斑)が薄くなったり、消えるのもその1つです。
模様(斑)を元通りに出す方法
- 明るい場所に置き直す
- 模様(斑)が薄い・消えた葉は茎ごと取り除く
- 肥料を与え過ぎない
- 適度な水やりをする
明るい場所に置き直す
一度、模様(斑)が薄くなったり、消えた葉そのものを元に戻すことはできません。
しかし、再び模様(斑)のきれいな葉を新しく出させることは可能です。
それは、今栽培している場所よりも日の当たる場所に置くことです。
もし、難しいのであれば植物育成ライトを使用して強制的に明るい場所を作り出します。
一般的にポトスの最適な栽培場所は、レースのカーテン越しのような“半日陰”が良いといわれていますが、
私たちが思っている以上に必要な光量が得られていないことがあります。
確かに、真夏の屋外の炎天下などは葉が焼けてしまうのですが、きれいな模様(斑)を維持するためには、
ある程度の光量は必要です。
模様(斑)が薄い・消えた葉は茎ごと取り除く
一度、模様(斑)が薄くなったり、消えてしまった葉が出てくるツルからは、新しい葉も同様の葉がでてきます。
もちろん、現状よりも日の当たる場所に移動すれば、再びきれいな模様(斑)が出現する可能性もなくはないのですが、何もしなければ緑色系の葉が出続けます。
そこで、模様(斑)が薄くなったり、消えてしまった葉が出ているツルはツルごと切って下さい。
もし、株元の葉にきれいな模様(斑)が残っているのであれば、その直ぐ上で切ると良いです。
このように、緑葉を取り除くことで形質を受け継がせないようにしましょう。
肥料を与え過ぎない
ポトスに与える肥料は基本的に葉の成長を助けるチッ素成分が多い肥料です。
しかし、与える回数や量を間違えると葉数は増えますが、その分葉色も濃くなります。
与え過ぎると肥料焼けといって根障害を起こし枯死するきっかけにもなるため、用法用量を守って与えて下さい。
適度な水やりをする
水やりは“土が乾いてからたっぷり与えましょう”というのは正しいです。
しかし、根が腐ることを恐れ、葉がぐったりするまで水やりを控えてから与えるような方法は間違いです。
根を傷めるだけでなく、葉が小さくなる、葉数が減る、斑が消えて葉色が濃くなるなど、様々な現象が起こるため、過度な水やりを心掛けて下さい。
確かに多湿よりは土が乾いてから与えた方が良いのですが、土の状態を見るよりも、ポトスの株全体の様子でタイミングを判断する方が良いです。