ポトスの茎がひょろひょろと間延びしています。原因はなんでしょうか?
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- ひょろひょろと間延びする原因
- 節間を詰める方法
本記事の信頼性
- ポトス50種以上の栽培歴・コレクター
- グリーンアドバイザー
(公益社団法人日本家庭園芸普及協会) - フラワーショップ経営
本記事を書いている私はポトス50種類以上の栽培歴を持つポトスマニアです。
“ポトスの茎の間隔がひょろひょろと間延びする原因と詰める方法”についてご紹介します。
茎と茎の間隔(節間)がひょろひょろと間延びする原因
- 長期間下垂・ほふくさせたときの本来の性質
- 長年肥料を一切やってない
- 肥料過多(ひりょうかた)
- 購入してから1回も植え替えしてない
長期間下垂・ほふくさせたときの本来の性質
長い間、吊り鉢で育てるなど茎が下に垂れたり、自由にさせている栽培では、ポトス本来の性質として茎と茎の間(節間)は延びがちになります。
大概、茎と茎の間(節間)が伸びるだけでなく、葉も小さくなっていると思います。
ポトスは元々、着生植物(ちゃくせいしょくぶつ)といって、大木に絡まったり引っ付いたりして、上え上え登っていく性質の植物(クライミングプランツ)です。
しかし、実際のジャングルでは樹木だけでなく、岩から垂れ下がったり、ヘビのように地面を這(は)って進んでいることもあります。
一般的にポトスは着生し上方に向かうと葉は大きくなり、反対に下方に向かうと葉は小さくなります。
長年肥料を一切やってない
購入してから水やりはしているけど、肥料は一切やっていない場合、茎と茎の間隔(節間)や茎自体がひょろひょろと間延びすることがあります。
なぜなら、栄養が不足しているため茎を太く丈夫にする力や、葉を大きくしたり、ハリを与える力が無いからです。
「いや、土に刺す肥料はやっているよ?」という方がいらっしゃるのですが、それは肥料ではなく活力液の可能性が高いです。(商品によって肥料の場合もあります)
小さいボトル容器を逆さまにして土に刺すタイプの液剤の多くは、肥料ではなく植物活力液です。
人間に例えると肥料が「食事」なのに対し、植物活力液は「サプリメント」です。
植物 | 人間 |
肥料 | 食事 |
植物活力液 | サプリメント |
肥料過多(ひりょうかた)
肥料のやり過ぎによっても、節と節の間(節間)が間延びすることがあります。
植物の肥料の三大要素はチッ素(N)・リン酸(P)・カリ(K)ですが、このうち葉や茎の成長を促すチッ素(N)成分が効きすぎると、節と節の間(節間)が長くなり、また細くなります。
ポトスを含む観葉植物専用肥料の成分はチッ素(N)の割合が多いです。
そのため、一般的な草花用の肥料よりも窒素成分が多いため注意が必要です。
ポトスの葉をたくさん茂らせたい気持ちは分かりますが、肥料は用法・用量を守って与えてましょう。
購入してから1回も植え替えしてない
肥料を与えていないと共通しますが、購入してから年数が経つにつれて、節と節の間(節間)が間延びしてしまうことがあります。
これは土が古くなることで水の吸収や根詰まりなど、成長を邪魔する要因が多くなるからです。
根本的に土が悪いと、根から吸収するはずの水も栄養も、茎や葉にうまく届けることができません。
すると、植物は最小限のエネルギーで生き延びようとします。
例えば、葉を小さくしたり、落としたり、できるだけ葉を付けずに茎を伸ばそうとしたりします。
日照不足はあまり関係ない
よく“ポトスの茎がひょろひょろ延びる原因は日照不足!”という記事やYouTube動画を見かけますが、果たして本当でしょうか?
おそらく一般的な徒長(とちょう)の原因を述べていると思うのですが、実際に栽培した結果の情報なのか甚だ疑問です。
というのは、実際に私があまり日が当たらない場所で育てた株や、鬱蒼とした植物園の日陰で下垂、ほふくしているポトスは別に節と節の間(節間)は間延びなどしていませんでした。
確かに、日陰になると間延びした節も出現することはありますが、かといって次の節間は詰まっていることはよくあります。
つまり、日照不足=茎と茎の間(節間)が間延びするとは限りません。
茎の間隔(節間)を詰める方法
- 間延びしているツルを切る
- あえて寒さに当てる
- 正しい栽培方法に沿う
間延びしているツルを切る
まずは再生を促すために、節と節の間が詰まっているところまで遡り、それ以降の間延びしている部分は切りましょう。
ポトスは品種にもよりますが、比較的生育が早いため、少々取り除いてもまたすぐに新芽が伸びてきます。
あえて寒さに当てる
ポトスは栽培温度が低くなり、寒さを感じると節間(せっかん)が短くなる性質があります。
そのため、あえて今育てている場所よりも室温が低い場所に移動させ、寒さに当てます。
ポトスの生育適温は年間共通して20℃以上、冬期でも18~22℃あるのが理想ですが、
玄関や廊下など10~13℃くらいの寒い場所に移動させます。
そうすることで節間がギュッと短くなります。
正しい栽培方法に沿う
結局のところ、正しい栽培方法に従えば、茎と茎の間隔(節間)がひょろひょろと間延びすることはありません。
ポトス栽培に適した温度管理、水やり、施肥などを守れば大丈夫です。
ポトスは非常に丈夫な植物なので、切り戻して再スタートしてみてください。
次は節の詰まったポトスになりますよ!