観葉植物図鑑・専門書から見るポトスの歴史

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ポトスの歴史
悩んでいる人

ポトスはいつぐらいから図鑑に掲載されるようになったのですか?歴史を知りたいです。

こんなお悩みを解決します。

本記事の内容

  • ポトスが掲載されている観葉植物図鑑一覧

本記事の信頼性

自己紹介
poto
  • ポトス50種以上の栽培歴・コレクター
  • グリーンアドバイザー
    (公益社団法人日本家庭園芸普及協会)
  • フラワーショップ経営

本記事を書いている私はポトス50種類以上の栽培歴を持つポトスマニアです。

最近のオシャレな観葉植物図鑑にはポトスが載っていなかったりします。

しかし、毎年多くの新しい観葉植物が流通する中、現在も店頭に並び続ける不動の人気植物です。

そこで、いったいポトスはいつから観葉植物図鑑に掲載されるようになったのか気になりました。

この記事では私が収集した図鑑を元に、“昭和~現在までの観葉植物図鑑・専門書から見るポトスの歴史”についてご紹介します。

目次

観葉植物図鑑・専門書一覧

たくさんの観葉植物図鑑

昭和から現在まで発刊された一部の観葉植物図鑑・専門書です。

アメリカでは1962年にポトスが開花し、学名がEpipremnum aureumに変更されたましたが、日本では約20年遅れてaureumに訂正されています。

発行年書名学名
1931(昭和6年)原色園藝植物圖譜第二卷Scindapsus aureus(=Pothos aureus)
1952(昭和27年)園藝大辭典第3巻Scindapsus aureus(=Pothos aureus)
1958(昭和33年)Tropical Ornamental Plants 観葉植物(瀬川彌太郎)Scindapsus aureus
1958(昭和33年)観葉植物ー作り方の手引ー記載なし
1964年(昭和39年)観葉植物(岩本道治)Scindapsus aureus
1965年(昭和40年)観葉植物【鑑賞と栽培】Scindapsus aureus(=Pothos aureus)
1967年(昭和42年)観葉植物の育て方スキンダプサス・アウレウス
1971年(昭和46年)原色園芸大観2 原色 観葉植物Scindapsus aureus
1978年(昭和53年)室内・観葉植物-楽しみ方と相談-ポトス・アウレウス
1983年(昭和58年)観葉植物の魅力Scindapsus aureus
1986年(昭和61年)原色観葉植物写真集Part2Epipremnum aureum
1994年(平成6年)観葉植物ポケット図鑑Epipremnum aureum
1997年(平成9年)園芸植物 鉢花と観葉植物Epipremnum aureum
2001年(平成13年)最新観葉植物Epipremnum aureum
2010年(平成22年)はじめての観葉植物の手入れと育て方Epipremnum aureum
2013年(平成25年)インドア・グリーン 観葉植物の選び方と育て方Epipremnum pinnatum“Aureum”

1931(昭和6年) 原色園藝植物圖譜第二卷

1931(昭和6年) 原色園藝植物圖譜第二卷
著者石井勇義
協力理學博士 牧野富太郎校訂 小石川植物園園藝主任 松崎直枝賛助
発行元東京 誠文堂
記載学名Scindapsus aureus(=Pothos aureus)

石井勇義は大正・昭和期の園芸研究家。家庭園芸向きの雑誌『實際園藝』の主幹を務めました。

この『原色園藝植物圖譜第二卷』は、ポトスのカラー写真が掲載されている日本で最も古い戦前の温室植物図鑑と思われます。

日本で最古のポトスの写真

ポトスの項目は東京帝国大学理学部教授であり、小石川植物園第二代園長の三好学が執筆しています。

「ポトス・オーレウス」とあり、和名は「おうごんかづら」学名は「スキンダプスス・アウレウス Scindapsus aureus(=Pothos aureus)」と記載されています。

科名は「てんなんしゃう科」と書かれています。テンナンショウ(天南星)とはサトイモ科に属する属名の1つです。

ポトスについて記載された日本最古の書籍

※本書は著作権保護期間満了のため中身掲載しています。

ポトスについての難解な説明を一部抜粋します。

溫室内觀葉植物(=温室内観葉植物)として極普通に作られ、鉢仕立てとする事もあり、又蔓物として溫室内に纏絡(てんらく=からませる)させ裝飾とする場合もある。園藝上では舊屬名(=旧属名)のポトス・オーレウスとして知られて居るが、現今植物分類上ではスキンダプスス屬に改められて居る。

現在“ポトスEpipremnum aureum”はサトイモ科ハブカズラ属オウゴンカズラ種です。

1931(昭和6年)当時の日本の研究者は、ポトス属が旧名であることには知っていましたが、学名ではサトイモ科であること以外は全て間違っていました。

興味深いのは、戦前既にポトスは温室で栽培する観葉植物としてはメジャーであったこと、そして吊り鉢だけでなくヘゴ仕立てのよう上に向かって育てる方法もあったことです。

もっとも、メジャーといっても極限られた研究者や超富裕層の間での話だと思われますが。

1952(昭和27年) 園藝大辭典第3巻

1952(昭和27年) 園藝大辭典第3巻
著者石井勇義
監修理學博士 牧野富太郎、農学博士(菊池秋雄、淺見與七、並河功)
発行元誠文堂新光社
記載学名Scindapsus aureus(=Pothos aurea)

こちらは先程紹介した『原色園藝植物圖譜第二卷』と同じ石井勇義氏の著書です。

ポトスの学名に関しては相変わらスキンダプサスのままです。

本書の特徴はまず、植物学的な解説が多いこと。

葉の大きさや形状、斑についても紹介されています。

写真は『原色園藝植物圖譜第二卷』の写真を白黒・縮小して使い回しています。

興味深いのは、原産地について初めて“ソロモン群島”と記載されている点。

現在でもポトスの原産地=ソロモン諸島だと思っている人が99%だと思いますが、実は間違いです。

おそらく、日本においてこの間違いの元は本書にあると考えられます。

そして、『園藝大辭典』の最大の特徴は日本への渡来年が記載されていることです。

ポトスの項目には(渡來・明治中年)と書かれています。

第1巻に「古渡來品および明治末年迄の渡來品については牧野博士に従って改訂或いは補入した種類が非常に多い」とあります。

つまり、ポトスが明治中頃に渡来したという情報源は牧野博士=牧野富太郎であるとも言えます。

1958(昭和33年) Tropical Ornamental Plants 観葉植物(瀬川彌太郎)

1958(昭和33年) Tropical Ornamental Plants 観葉植物(瀬川彌太郎)
著者瀬川彌太郎
発行元東京 加島書店
記載学名Scindapsus aureus(=Pothos )

本書は日本で初めての観葉植物専門書です。

著者瀬川彌太郎は元京都大学助教授、本書の出版当時は京都大学農学部附属古曾部園芸場主任でした。

この本の特徴ですがなんと、1ページ目にある本書唯一のカラー写真は温室内で巨大に育っているポトスです。

惜しいのは、Epipremnum属として“はぶかずらEpipremnum mirabile SCHOTT”が紹介されているのにもかかわらず、ポトスはスキンダプサス属のままになっていること。

また“ふいりおうごんかずら”S.a var.Marble Queen Hort.と書かれています。

これ、何だかわかりますでしょうか?

答えは園芸品種の“マーブルクイーン”です。

実はマーブルクイーンは昭和30年にアメリカから輸入されました。

意外かもしれませんが、ライムポトスはこれから20年以上後、昭和50年代に入ってきます。

1958(昭和33年) 園芸手帖 観葉植物ー作り方の手引ー

1958(昭和33年) 園芸手帖 観葉植物ー作り方の手引ー
編集(共編)八丈島園芸農業協同組合・農耕と園芸編集部
発行株式会社誠文堂新光社
記載学名なし(ひらがなで「ポトス」)

本書は昭和30年代初期の観葉植物事情について詳しく紹介されています。

ポトスに関しては小さな素焼き鉢のマーブルクイーンが、“ポトス・マーブルクィン”と白黒写真で掲載されています。

ポトスの項目では

一般にオウゴンカズラともいい、ソロモン群島産のツル植物で、これもハート形の葉にきれいな黄斑のある、代表的なツル植物である。ただ窒素肥料が多すぎると斑がぬけることがある。耐寒性はフィロデンドロンよりはやや強い。このツルをニ~三節で切って挿せば簡単につき、夏ならば一週間で発根する。ヘゴにはりつけたり、小鉢の懸崖には好適である。室内に置きっぱなしでも、三ヵ月から半年ももつという丈夫なものである。(最低温度七~八度C)

園芸手帖 観葉植物ー作り方の手引ー

現在ではポトスが年間室内栽培でも枯れないことは知られていますが、当時は筆者でさえも曖昧であることから、いかにポトスがマイナーな観葉植物であったかが分かります。

ちなみに昭和30年前後の主流の観葉植物は、フェニックス・ロベレニーを始めとした多くのヤシ類です。

また本書で興味深いのは“自宅のお庭紹介”や店舗装飾のコーナーがあること。

個人宅の庭で観葉植物を温室栽培している様子や銀座不二家、千疋屋、日本橋高島屋などで装飾されている様子が白黒写真で掲載されています。

観葉植物は今でこそ庶民に広く親しまれていますが、この当時はまだまだ富裕層の趣味です。

1964年(昭和39年) 観葉植物(岩本道治)

1964年(昭和39年) 観葉植物(岩本道治)
著者岩本道治
監修佐々木尚友
発行株式会社保育社
記載学名Scindapsus aureus

本書には「おうごんかずら」=一般的なポトスと「ふいりおうごんかずら」=マーブルクイーンの2種が記載さ入れています。

貴重なのはゴールデンポトスではなくオーレア種であろうカラー写真が掲載されていることです。

「え?オーレア種ってなに?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、

私たちが一般的に“ゴールデンポトス”と呼んでいる緑葉に黄斑が入る種類は、原種ではなく、

“オーレア種”よりも黄色い斑が多く入るものを選抜してできた園芸品種です。

ただ、実際問題オーレア種とゴールデンポトスを見分けるのは至難の業であるため、同種と見なしている書籍がほとんどです。

また面白いのは地植えについても紹介されている点です。

現在の観葉植物図鑑ではポトスを地植えすることは想定されていないため、このような記述はありません。

地植えにして肥料を十分に施すと、30センチぐらいに大きくなり、葉に切り込みが出て、全然別種のようになる。

1965年(昭和40年) 観葉植物【鑑賞と栽培】

1965年(昭和40年) 観葉植物【鑑賞と栽培】
著者野崎信夫 堀江聡男
発行大泉書店
記載学名Scindapsus aureus(=Pothos aureus)

本書には、「おうごんかずら」の名前はあっても詳しいことは一切書かれていません。

別名として括弧書きに(コガネカズラ)とありますが、現在もそのように読む人はいません。

1967年(昭和42年) 観葉植物の育て方

1967年(昭和42年) 観葉植物の育て方
著者杉野富男
発行金園社
記載学名スキンダプサス・アウレウス

本書にはポトスが旧学名であること、80年ほど前にソロモン群島で発見されたことなどが書かれていますが、現学名はスキンダプサスとあります。

また面白いのは、“家庭では箪笥やピアノの上から垂らして楽しむ方が多いようで”とあり、一般家庭での楽しんでいる様子が伺えるものの、やはり昭和42年当時、自宅にピアノがある家庭は中上流階級であったと思います。

掲載品種は

  • スキンダプサス・アウレウス
  • スキンダプサス・アウレウス・ハワイ
  • スキンダプサス・アウレウス・マーブルクイーン
  • スキンダプサス・ピクタ・アルギレウス

現在では見かけない品種に“ハワイアン”というものがあります。

これは緑色地に黄色い斑が砂を撒いたように入る“砂子斑”の品種なのですが、昭和42年には“ハワイ”という名前で流通していたことがわかります。

また当時の日本ではポトスはスキンダプサス属だと思われていたため、本当のスキンダプサス属であるスキンダプサス・ピクタ・アルギレウス(現・スキンダプサス・ピクタス・アルギレウスScindapsus pictus ‘Argyraeus)もポトスに含まれています。

1971年(昭和46年) 原色園芸大観2 原色 観葉植物

1971年(昭和46年) 原色園芸大観2 原色 観葉植物
著者御園勇
監修清水基夫
発行株式会社集英社
記載学名Scindapsus aureus

本書には渡来年が明治中ごろと記載されています。

大本の情報源は1952(昭和27年)『園藝大辭典第3巻』なのですが、現在非常に入手困難な書籍です。

そのため、ネットや書籍などで、“ポトスが日本に入ってきたのが明治時代”と解説されている根拠は、おそらく本書が出処と思われます。

学名はスキンダプサス属のまま。

写真は白黒なのですが、明らかに黄色い斑が多く入っているので「オーレア」ではなく「ゴールデンポトス」です。

1978年(昭和53年) 室内・観葉植物-楽しみ方と相談-

1978年(昭和53年) 室内・観葉植物-楽しみ方と相談-
著者坂梨一郎
発行株式会社小学館
記載学名ポトス・アウレウス

本書ではポトス属(スキンダプサス属)と書かれており、学名の正誤に関しては重要視していないことがわかります。

マーブルクイーンが園芸品種であることなど、特に記述に変化は見られません。

1983年(昭和58年) 観葉植物の魅力

1983年(昭和58年) 観葉植物の魅力
著者小笠原亮
発行株式会社保育者
記載学名Scindapsus aureus

本書はかつてNHK趣味の園芸でもご活躍された現・小笠原左衛門尉亮軒さんが昭和58年に出版されました。

ポトスに関して、学名はシンダプサス・オーレウスScindapsus aureus、一般名がポトスPothosまたはゴールデンポトスと記載されています。

カラーの写真を見る限り、黄色い斑が多く入っているため、やはり品種は「ゴールデンポトス」だと思われます。

本書には観葉植物の歴史も詳しく紹介されており、現在出版されている観葉植物本にはまず書かれていません。

非常に貴重な書籍です。

1986年(昭和61年) 原色観葉植物写真集Part2

1986年(昭和61年) 原色観葉植物写真集Part2
執筆者石井勇 伊藤博夫 吉良昌進 田中耕次 田丸恒雄 星野重助 三浦敏雄 水野義行 森光司 米原米重
編者(社)日本インドア・グリーン協会
発行誠文堂新光社
記載学名Epipremnum aureum

本書にはエピプレムナム属(ハブカズラ属)Epipremnum SCHOTTの中に、Epipuremnum aureumの栽培品種(園芸品種)3種が紹介されています。

ポトス(アオバ)Epipremnum aureum cv.“Virens”斑が消えた青葉種
ポトス ハワイアンEpipremnum aureum cv.“Hawaiian”砂子斑
ポトス ライムEpipremnum aureum cv.“Lime”黄緑色

本書が特筆すべきはついに、学名がScindapsus aureusからEpipremnum aureumと正しく掲載されている点です。

アメリカでポトスの学名が正しく成文化されたのが1964年ですので、日本ではおよそ20年以上遅れて訂正されたことになります。

また本書ではライムポトスが掲載されています。

これまでの書籍にはマーブルクイーンについては書かれていても、ライムについてはありませんでした。

ということからライムができたのは昭和50年代以降と推察されます。

また、アオバ(Epipremnum aureum cv.“Virens”)“Virens”=ラテン語で「緑」を意味する)という品種は馴染みがありません。

「東南アジアの自生地ではこの青葉種が多い」と書かれていることからも、おそらくこれが“ポトス”(Epipremnum aureum)の原種に極めて近い種だと思われます。

ゴールデンポトスが先祖返りしたものといっても良いでしょう。

※ポトスの先祖返り・・・模様(斑)が消えて緑葉になる現象

先祖返りしたポトス

現在、市場においても先祖返りしたポトスは商品として流通していません。

ちなみに、現在は完全に葉が緑色の“パーフェクトグリーン”という品種がありますが、これが市場に流通したのは私の知る限り2005年以降です。

1994年(平成6年) 観葉植物

1994年(平成6年) 観葉植物
執筆者?長岡求
編集人田淵増雄
発行株式会社主婦の友社
記載学名Epipremnum aureum

平成に入ると、100%どの観葉植物もカラー写真です。

そして、掲載品種はゴールデンポトス、ライムポトス、マーブルクイーンの3つが主。

いつの間にか、ハワイアンは掲載されなくなりました。

1997年(平成9年) 園芸植物 鉢花と観葉植物

1997年(平成9年) 園芸植物 鉢花と観葉植物
解説長岡求 小笠原誓
写真植原直樹 中島隆
発行株式会社小学館
記載学名Epipremnum aureum

本書ではポトスについて「流通量の最も多い観葉植物」と書かれています。

お花屋さんに行けば、必ずといって良いほどポトスの吊り鉢がぶら下がっていた時代ですね。

掲載写真には吊り鉢だけでなく、ヘゴ仕立ても載っています。

2001年(平成13年) 最新観葉植物

2001年(平成13年) 最新観葉植物
解説小笠原誓
写真中島隆
発行株式会社小学館
記載学名Epipremnum aureum

解説の小笠原誓さんは小笠原左衛門尉亮軒さんのご子息です。

掲載品種は通常のゴールデンポトス、ライム、マーブルクイーンの3種のみです。

2001年(平成13年) 部屋に飾るミニ観葉植物

2001年(平成13年) 部屋に飾るミニ観葉植物
解説小笠原亮
発行株式会社永岡書店
記載学名なし

本書は小笠原左衛門尉亮軒さんが本名、小笠原亮さんの頃に執筆されたもの。

園芸書には珍しく学名が記載されていません。

ただ、ポトスの掲載品種は以下5種

  • ゴールデンポトス
  • ライム
  • マーブルクイーン
  • ハワイアン
  • フラッシュ

ハワイアンは既に消滅した品種だと思われていましたが、本書にはちゃんと掲載されています。

また新しく“フラッシュ”という品種が掲載されています。

フラッシュとは種苗登録の関係で、のちにバレンシアと改められた品種で、通常のゴールデンポトスよりも黄色い斑の面積が多いのが特徴です。

2010年(平成22年) はじめての観葉植物の手入れと育て方

2010年(平成22年) はじめての観葉植物の手入れと育て方
監修者橋詰二三男 谷亀高広
発行株式会社ナツメ社
記載学名Epipremnum aureum

今まで紹介してきた書籍はどちらかというと、図鑑的要素が強いですが、本書は写真をふんだんに使った実際の育て方について詳しく解説されています。

2010年というとごく最近ではありますが、当時はまだYouTubeも黎明期のため、育て方を知るには本か、園芸講座などで情報を得るしか手段がありませんでした。

置き場所や水やりなどの管理方法から植え替え、挿し木方法まで紹介された実用書になっています。

2013年(平成25年) インドア・グリーン 観葉植物の選び方と育て方

2013年(平成25年) インドア・グリーン 観葉植物の選び方と育て方
監修者尾崎章
発行株式会社西東社
記載学名Epipremnum pinnatum“Aureum”

本書でまず驚くべきことは学名にpinnatum(ピナツム)の文字が入っていることです。

Epipremnum pinnatum“Aureum”とは

エピプレムヌム属ピナツム種のオーレウムという園芸品種を表しています。

しかし、結論から申し上げますと、現在この表記は間違いとされています。

これは1978年にアメリカの植物学者ニコルソンが「Epipremnum aureumはEpipremnum pinnatumの一品種ではないか?」という提案に基づいているのですが、

現在は別種と考えらえています。

しかし、大変紛らわしいのですが、Epipremnum pinnatum(エピプレムヌム・ピナツム)もハブカズラ属を意味するため、農林水産省の品種登録データでは、ポトスの学名はEpipremnum aureum(エピプレムヌム・アウレウム)ではなく、Epipremnum pinnatum(エピプレムヌム・ピナツム)が使用されています。

もう一つ本書に特徴として、育て方のQ&Aが加わっていることです。

一方的に育て方を説明するだけでなく、「葉が黄色くなった理由はなぜか?」のように、実際に栽培する中で出てくるトラブルを想定し、その対処方法まで詳しく解説するようになっています。

ポトスが日本に入って来た歴史については>>ポトスはいつ日本へ?明治時代中頃渡来の根拠と歴史

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