ポトスがしおれて元気がありません。なぜでしょうか?
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- しおれて元気がない根本原因
- 元気がなくなる原因ランキング
- 各対処方法
本記事の信頼性
- ポトス50種以上の栽培歴・コレクター
- グリーンアドバイザー
(公益社団法人日本家庭園芸普及協会) - フラワーショップ経営
本記事を書いている私はポトス50種類以上の栽培歴を持つポトスマニアです。
なぜか育てているポトスが元気がない!
水のやり過ぎ?
寒さ?暑さ?
初心者の方は、何が原因なのか分からず悩んでいることも多いです。
この記事ではポトスがしおれて元気がない原因を説明します。
根本的な原因は根が傷んでいる
ポトスがしおれて元気がなくなっている根本的な原因は、根が傷んでいる場合はほとんどです。
根は茎を通って葉に水分や栄養分を運ぶ重要な場所です。
そのため根が傷むと株全体に影響を及ぼすため、葉や茎もしおれてきます。
元気がなくなっているように見えるはこのためです。
ポトスがしおれて元気がなくなる原因ランキング
ではなぜ根を傷めてしまったのか?今回は、“初心者によくあるポトスがしおれて元気がなくなる具体的な原因をランキング形式”で紹介します。
1位 水のやり過ぎ
2位 根詰まり
3位 移動させ過ぎによる悪影響
1位 水のやり過ぎ
初心者の場合、ポトスがしおれて元気がなくなる最も多い原因は水のやり過ぎです。
もし、土が何日経っても湿りっ放しなら間違いありません。
ポトスが必要とする水量を超えてしまっているんですね。
なぜこのようなことが起きてしまうのかというと、一度水やりをして、次に水やりをする際に本当に水が不足しているのか、それとも足りているのか判断できてないからです。
「いやいや、土が乾いたらたっぷりやるんでしょ?その通りにやってたけど」という人も多いと思います。
しかし、実はコレ、正確には間違いなんです。
土の表面が乾いていても、鉢の中心から下にかけて生えている根の部分は湿っていることがあります。
特にプラスチック製の鉢は乾きにくいんです。
それらを知らずに土の表面が乾いたらまた水をやってしまうので、常に根は濡れている状態になります。
すると次第に根は傷んできます。
根は茎や葉に繋がっているため、根が傷んでいるサインとして葉がしおれて元気がなくなったように見えます。
正しい水やりのタイミングは>>ポトスの水やりのタイミングはいつ?初心者に写真解説
水のやり過ぎから元気に回復させる方法
- 水やりを完全ストップし土が乾くか様子を見る
- 根を崩さず新しい土に植え替え直す
水やりを完全ストップし土が乾くか様子を見る
まず、水のやり過ぎでしおれている場合は土が湿っているはずです。
まず、回復させる第一段階として完全に水やりをストップして下さい。
そして、1週間以内に土が乾いてくるようであればまだ根は生きています。
もし、葉がしおれたままで、土も全く乾く様子がない場合は次の方法を考えます。
根を崩さず新しい土に植え替え直す
鉢から取り出すときに、全く力を入れなくてもスッと弱々しく抜けてしまった場合や、根が溶けてしまってほとんど無い状態の場合は既に枯死しています。
この場合は復活しないので処分してください(茎を切って挿し木して増やす方法はあります。)
もし、根がちゃんとあり鉢の形と同じような形に根が張っていれば、まだ生きています。
この場合は、鉢は同じもの良いので土だけ新しいものに全とっかえします。
注意してほしいのは、絶対に根を崩さないことです。
ただでさえ弱っているため、通常の植え替えのように根をいじってしまうと余計弱ります。
植え替えのコツはそっと株ごと鉢から取り出し、鉢底から5㎝程度新しい土を入れ、株を置き、周りに新しい土を入れます。
なるべく優しく丁寧に作業しましょう。
真夏と真冬の植え替え
基本的に植え替えに適している時期は5月~10月なのですが、どうしても真夏と真冬にやらなければならないときは気を付けなければいけません。
経験としてポトスは熱帯植物のため真夏に植え替えても、ガンガン直射日光に当たるところに置かなければ、問題ありません。
問題は11月~2月の寒い時期。
この時期に植え替えをする場合は、室内がベストなのですがリビングだと土ぼこりが立って不衛生ですよね。
なので、玄関内や浴室でササっと短時間で済ませるのがコツです。
植え替えたら水はやらない!
水のやり過ぎの場合、鉢から株を抜いたとき、根がぐしょぐしょに濡れているはずです。
一般的に植え替え直後は水やりをするのですが、今回のケースでは植え替えても水やりはしません!
心配になると思いますが、やらないようにしましょう。
5日~7日程度経過すると、しおれている葉に動きが見られます。
根が回復している場合は、微妙ですが葉が立ち上がってくるはずです。
葉が元通りになってきたら水やりをしましょう。
2位 根詰まり(ねづまり)
今まではちゃんと元気に育ってたのに、だんだん水をやっても葉がしおれてきた。イマイチ元気がない。
もし土が硬く乾燥し、一部、地割れのようにひび割れている場合は鉢内に根が増えすぎて、うまく吸水できていない可能性が高いです。
根は水分や養分を先端の細い部分から吸収するため、鉢の中で根同士が、がんじがらめになっていると、スムーズに水が吸えないんです。
よく、買ったばかりのポトスは根詰まりすることはない!なんて言われることもありますが、そんなことはないです。
出荷段階で結構フサフサに茂っていたものを購入した場合、中には既に根がギュウギュウに詰まっていて、土がガチガチになっている商品もあります。
土自体も古くなっていることがあります。
根詰まりによる原因から元気に回復させる方法
- 根は崩さず一回り大きい鉢に植え替える
- 根を崩し一回り大きい鉢に植え替える
根は崩さず一回り大きい鉢に植え替える
根詰まりが原因の場合は、植え替えることによって回復ができます。
ただ、植え替え時に根を崩すか崩さないかは状態によって変わります。
まず、鉢から株を取りだそうとしたとき、スムーズに引っこ抜け、根の部分が鉢の形と同じくらいだったら、
根は崩さず、そのままスポッと一回り大きい鉢に入れて植え替えます。
例えば5号鉢(直径15㎝)に植わっていたら→6号(直径18㎝)に植え替えます。
根を崩し一回り大きい鉢に植え替える
鉢から株を取り出そうとしたとき、なかなか抜けず、鉢を壊してやっと抜けた場合など、根がびっくりするくらいガチガチに絡み合っている場合。
このケースは根を崩し(ほぐし)てから新しい鉢に植え替えます。
というのは、そのまま一回り大きい鉢に植え替えても、根同士が固まったままなので意味がないからです。
広がった根からそれぞれ水が吸収できるようにしてあげましょう。
植え替える鉢のサイズですが、根がガチガチになっていた場合は
私の経験として2周り大きい鉢に植え替えても良いと思います。
例えば5号鉢(直径15㎝)→7号鉢(直径21㎝)。
ただ、根を崩した株を「株分け」として2つの鉢などに分ける場合は、逆に元の鉢よりも小さめの鉢に植え替えます。
3位 移動させ過ぎによる悪影響
- 飾る場所を頻繁に変える
- エアコンの風に当たりっ放し
- 水やりの度に朝ベランダに出し、夜部屋に取り込む
飾る場所を頻繁に変える
大前提として、熱帯雨林に自生しているポトスは大地に根を生やし動くことはありません。
植物は鉢植えにすることで場所を移動することができますが、基本的に1か所に留まって成長するものです。
にもかかわらず、私達人間は、鉢植えだと置きたいところに移動させてしまいます。
せっかく固定された環境に適応したのにも関わらず、また鉢を動かされると非常にストレスがかかり、代謝が悪くなります(代謝不良)。
代謝が悪いと葉を落としたり、一時的に元気がなくなったように見えることがあります。
エアコンの風に当たりっ放し
ポトスを間接的に風に当てることは蒸散を促し生育に良い効果があります。
しかし、長時間エアコンやサーキュレーターの風がもろに当たってしまうと、
葉が乾燥してしまい、しおれたように傷みます。(水分が吹っ飛んでしまうイメージ。)
水やりの度に朝屋外に出し、夜室内に取り込む
水やりの度に屋外に出し、夜は室内に取り込むような育て方もストレスになります。
そしてなにより冬期は、温度差によって根が傷みます。
根が傷んだ結果、しおれて元気がなくなります。
例えば12月。水やりのために日中屋外に出すとします。屋外の気温は10℃前後です。
そして夜、室温25℃前後の部屋に取り込むとします。
すると寒暖差は15℃(25℃ー10℃)にもなります。
こういうケースでは
- 場所を頻繁に移動させたことによるストレス
- 温度差による影響
- 単純に寒さに当たってしまった影響
など、複数の原因が重なっています。
移動させ過ぎによる悪影響からの回復方法
基本的にポトスは365日室内のレースのカーテン越しで育て、頻繁にあちこち移動させないようにしましょう。
よく、「冬の夜間は寒さ防止のため、毎日部屋の中央に移動させましょう」なんて意見もあります。
確かに冬期、夜から朝にかけ、エアコンを切った部屋で窓のそばに置いておくと、寒さでダメージを受けることがあります。
しかし、実際問題、毎日部屋の中央に移動できるでしょうか?
忙しい日常を送っている私達には現実的ではありません。
であれば、鉢ごと発泡スチロールに入れて防寒対策する方が簡単です。
室内用ビニール温室などがあれば良いですが、北海道・東北など寒冷地でなければ、そこまでしなくても室内であれば枯れません。
まとめ
初心者が育てた場合によくある、しおれて元気がなくなる原因3つを紹介しました。
丈夫で生育旺盛な性質を持つポトスが「しおれる」ということは、水分と栄養分を吸収する土台となる“根”になんらかの異常が発生しているからです。
ぜひこの記事を参考にいまいちど育て方を確認してみてください。