ポトスは全部で何種類あるのでしょうか?
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- ポトスの定義
- ポトスの種類
- ポトスに類似した植物
本記事の信頼性
- ポトス50種以上の栽培歴・コレクター
- グリーンアドバイザー
(公益社団法人日本家庭園芸普及協会) - フラワーショップ経営
本記事を書いている私はポトス50種類以上の栽培歴を持つポトスマニアです。
ポトス大国ニッポン!ポトスは古くから親しまれている観葉植物ですが、
実は現在も尚新品種が誕生し続けていることをご存知でしょうか?
日本には海外からも注目されている品種がたくさんあります。
この記事では実際に市場に出回っている品種を中心に私が知りうる限りの
“ポトスの種類”についてご紹介します。
ポトスの種類
原種・園芸品種・仲間等含め | 約100種 |
園芸品種 | 約50種 |
現在流通している園芸品種 | 約30種 |
超重要!ポトスの定義
現在、私たちがよく知っている“ポトス”の学名はEpipremnum aureum(ハブカズラ属オウゴンカズラ種)とEpipremnum pinnatum(ハブカズラ属ハブカズラ種)の両方が使われています。
- Epipremnum aureum(ハブカズラ属オウゴンカズラ種)
- Epipremnum pinnatum(ハブカズラ属ハブカズラ種)
「ハブカズラ」の名称で売られているのは、サトイモ科ハブカズラ属(Epipremnum)の原種であるEpipremnum pinnatum(ハブカズラ属ハブカズラ種)です(下写真)
ところが大変紛らわしいのですが、農林水産省の品種登録制度では、ポトスはEpipremnum pinnatum (L.) Engl.(和名:オウゴンカズラ種)としています。
確かにハブカズラ属なので間違ってはいません。
ですが、国際的にアロイド界(サトイモ科研究界)ではEpipremnum pinnatumをEpipremnum aureumの近縁種(通称“ピナツム”)として別分類しているため、
この記事ではポトス=Epipremnum aureum”と定義します。
ポトス Epipremnum aureum
- ヴィレンス
- オーレア
- ゴールデン
- ハワイアン
- フラッシュ
- ハッピーデー
- ライム
- ライムコンパクト
- マーブルクイーン
- パーフェクトグリーン
- エンジョイ
- ステータス
- グレイシャー
- エメラルド(エンジョイライム)
- グローバル
- グローバルグリーン
- エクセレント
- シエスタ
- グリーンスクラッチ(旧ファンタジー)
- マンジュラスポートS.pマリアンヌ
- リゾート
- マリーナ
- AWファンタジー
ヴィレンス(アオバ) Virens
完全緑葉の品種。ゴールデンの斑が抜けたような葉が特徴です。ただ、パーフェクトグリーンとは葉形や質感が違います。
東南アジアの自生地ではよく見られますが、現在商品としては流通していません。
オーレア Aurea
次に紹介するゴールデンが原種だと思っている方も多いですが、実はゴールデンよりも黄斑が少ないオーレアという品種がありました。
オーレア=ゴールデンという見方もあります。
ただ、ポトスが発見されて以来の黄斑の選抜過程で区別されてきた話なので、正確な情報はアロイド学者(サトイモ科植物研究者)もわかっていません。
ゴールデン Golden
ポトスといえばこの品種を指すといって良いほどメジャーで、
大変丈夫で昔から最も生産されています。
しかし、ゴールデンは原種ではなく園芸品種だということをご存知でしょうか?
ハワイアン Hawaiian
ゴールデンの黄斑が砂子斑状になった品種。茎も黄味がかっている。性質はやや弱く、先祖返りしやすい。
成木になるとゴールデンよりも大きくなるのも特徴です。
海外では現存していますが、日本では今から20年ほど前に流通が消滅しています。
フラッシュ Flash
バレンシアの選抜品種。バレンシアよりも緑色の割合が多い。
何十年も前に、量産化のために生育の良いバレンシアを選抜したもので、当園がゴールデンの代わりにノーラベルで販売してきた。バレンシアよりも緑色が多く、ゴールデンとの中間位い。
terunoworld Instagram ストーリーズ2024年9月18日
ハッピーデー Happy Day
ご覧の通り、ゴールデンやフラッシュと比べて明らかに黄斑の量が多い品種。
ライム Lime
ゴールデンと並ぶメジャーな品種。緑色色素が薄いため直射日光に当たると葉焼けが目立ちます。
ライムコンパクト Lime Compact
通常のライムよりも葉が小さい浅岡園芸作出の品種。
現在は生産されていないため、希少種になっている。
マーブルクイーン Marble Queen
ゴールデンのあと昭和30年に日本に入って来た古い品種。ライムと並びメジャーですが性質がやや弱い。
パーフェクトグリーン細葉 Perfect Green
グリーン一色の葉を持ち、2000年代に流通し始めた比較的新しい品種。
パーフェクトグリーン丸葉 Perfect Green
あまり見かけませんが、❛パーフェクトグリーン❜という名前で流通している品種。
個人的にはステータスが先祖返りしたものと考えています。
エンジョイ N’JOY HANSOTI12
農林水産省に品種登録されている公式の品種名称は「HANSOTI12」
インドの生産農場で発見された品種。その後オランダで本格的に栽培され2008年に日本へ導入されました。
ステータス STATUS
“最上級のポトス”と評されて流通した比較的新しい品種。
パールアンドジェイド Pearls And Jade
パールアンドジェイドはマーブルクイーンの変種です。
葉の中央に緑斑があり、それが緑のしぶきのある白斑に囲まれているのが特徴。
Pearls And Jadeとは“真珠と翡翠”を意味します。
グレイシャー Glacier
マーブルポトスの枝変わりである❛パールアンドジェイド❜のうち、白斑に斑点がなく、シルバーの色抜け部分がある。
それは白斑と緑斑の間でグラデーションにように入ります。
エメラルド(エンジョイライム) Emerald N’JOY Lime
農林水産省に品種登録されている公式の品種名称は「N’JOY Lime」
以前から❛エメラルド❜という名称で出回っていましたが、2022年に正式に品種登録に出願された新品種です。
中心の濃緑色を淡黄緑の斑が囲んでいるのが特徴です。
グローバル Global
浅岡園芸さんが作出した品種です。
白斑+緑斑に明るい黄緑斑が入るのが特徴。
しかし、シミが発生しやすいなど大量生産できなかった為、商品化されなかった幻の品種です。
品種登録の出願もされていません。
ですが、加藤農園さんが受け継ぎ現在は少量ながらも再販、流通しています。
グローバルグリーン Global Green Asaoka Second
農林水産省に品種登録されている公式の品種名称は「Asaoka Second」
浅岡園芸さん作出の品種。
外側が濃緑斑、内側が黄緑斑が特徴。
エクセレント Excellent アサオカファースト
農林水産省に品種登録されている公式の品種名称は「アサオカファースト」
浅岡園芸さん作出の品種。
葉が細く小さいのが特徴。こちらも大量生産に至らなかったため商品化されませんでしたが、
現在は加藤農園さんが委託生産されています。
シエスタ Siesta
ゴールデンやハッピーデーに似ていますが、明るい白斑が入るのが特徴。
グリーンスクラッチ(旧ファンタジー)Green Scratch
鷲尾園芸さんが作出した品種。
スクラッチという名前があるように、ひっかいた、こすったような散り斑が特徴。
少量ながらも流通しています。
マンジュラスポートS.pマリアンヌ Manjula Sport S.p.(Marianne)
海外ではステータスの変種と言われています。
商品として流通していません。
リゾート Resort
ライムの枝変わり品種。
色みが明るく葉が細めなのが特徴です。
現在は、ほとんど流通していません。
マリーナ Marina
ゴールデンポトスの枝変わりで濃黄緑、浅緑黄色に強いはけ込み斑が入る品種。
農林水産省の品種登録に出願された写真を見る限り、葉全体が黄味がかって大変美しい品種です。
水谷滝光氏によって作出された品種。現在は流通していません。
AWファンタジー AW Fantasy
出願公表日2023年3月20日。
かつてグリーンスクラッチ(旧ファンタジー)を作出された鷲尾昭夫さんによって作出された新品種。
AWファンタジーのAWは(Akio Washio)のイニシャルを取ったもの。
まるで造花のような硬い質感があります。
節間が短く成長が遅いのも特徴。
またシミができやすい性質を持っています。
テルノシリーズ Teruno Series
テルノワールド 育種家で生産者の伊藤輝則氏によって作出されたポトスの一部。
※リンクのあるものは各品種に飛べます。
品種名 | 特徴 |
パステルシャワー | ゴールデンの枝変わり。白+緑+黄の3色斑 |
バレンシア | パステルシャワーの枝変わり。黄斑が多い |
テルノビーナス | マーブルクイーンの枝変わり。黄緑色ベースに濃緑斑 |
テルノロビン | バレンシアの枝変わり。明るい黄緑色に緑斑 |
テルノハナハナ | バレンシアの枝変わり。ぼかし斑、葉裏が白い |
テルノファンファーレ | マーブルクイーンの枝変わり。細葉+厚みあり |
テルノカーニバル | テルノビーナスの枝変わり。明るい黄緑色に濃緑斑 |
テルノアリス | テルノハナハナの枝変わり。白ベースに黄緑斑。 |
テルノジュニア | バレンシアの枝変わり。コンパクト |
テルノシャンゼリゼ | ライムの枝変わり。葉裏に突起 |
テルノシャングリラ | テルノシャンゼリゼの枝変わり。緑色一色の巻葉 |
テルノサンシャイン | テルノシャングリラの枝変わり。黄色の巻葉。2024年9月~以前より黄色の発色が良い品種にバージョンアップ(ニューサンシャインになるが、名称はテルノサンシャインとして継続) |
テルノバンピー | バレンシアの枝変わり。緑+黄斑の羅紗葉 |
テルノリンダ | テルノバンピーの枝変わり。緑色無地の羅紗葉 |
テルノアマゾン | バレンシアの枝変わり。葉脈が見える等 |
テルノヒミコ(oldヒミコ) | テルノファンファーレの枝変わり。黄緑ベースに濃緑の斑 |
テルノヒミコ(newヒミコ) | オールドヒミコよりシミができにくい |
テルノスフィーダ | バレンシアの枝変わり。黄色いぼかし斑 |
テルノエスプリ | テルノシャンゼリゼの枝変わり。ウェーブ&黄緑色に黄斑 |
テルノラブソング | テルノシャングリラの枝変わり。マーブルの巻葉 |
テルノワカクサ | テルノカーニバルの枝変わり。ライムより大きく肉厚 |
テルノグレース | テルノリンダの枝変わり。マーブルクイーンの羅紗葉。未販売 |
テルノカグヤ | ライムの枝変わり。ライムの斑入り |
テルノジャック | テルノシャングリラの枝変わり。巻きがゆるく肉厚 |
テルノムーンライト | テルノロビンの枝変わり。くすんだ黄緑色の葉。 |
テルノシャララ | テルノファンファーレの枝変わり。薄緑色に濃緑の斑。 |
テルノキャスト | テルノカーニバルのマーブルバージョン。個体により斑がまばら |
テルノクリスタルグリーン | テルノロビンの枝変わり。切り戻すと明るい緑色の葉が出る。肉厚で強健。 |
テルノランコントル | 細葉アマゾンの選抜品種。冬も葉脈がはっきり出る。名称由来は仏語「出会い」 |
テルノゴールドジャック | テルノジャックの枝変わり(旧テルノイエロージャック) |
テルノトラサン | 黄斑が虎模様のテルノサンシャイン(旧仮称 虎さんサンシャイン) |
テルノプレシャス | マーブルクイーンの枝変わり。テルノアマゾン、ヒミコ、ランコントルと比較して色が明るく斑・葉脈がはっきり出る。春も明るい色。 |
育種中のテルノシリーズ
現在、育種中と思われる品種の一部(仮称含む)
品種名 | 特徴 |
テルノアート | テルノファンファーレの枝変わり |
テルノラララ | ライムのマーブルバージョン |
テルノシンデレラ | テルノバンピーのマーブルバージョン |
テルノイエロージャック | 明るい黄色 |
テルノマーブルマジック | テルノラブソングの枝変わり |
テルノプリンセス | テルノラブソングの枝変わり。矮性。クリームがかる。 |
テルノステラ | テルノリンダの枝変わり。黄色み強い。初代ステラ |
テルノマドンナ | ライムの枝変わり。矮性。旧テルノ2代目ステラ |
テルノミッドナイト | テルノビーナスの枝変わり |
テルノコンパクトマーブル | マーブルクイーンの矮性品種 |
テルノノスタルジア | テルノカーニバルのダーク系 |
テルノバーン | テルノバンピーの枝変わり |
テルノエレガンス(白アマゾン) | 真夏に白ベースのマーブル模様を展開 |
テルノビューティー(白ヒミコ) | テルノエレガンスに類似、秋にテルノヒミコ色に戻る |
テルノハピネス | テルノビーナスのマーブルバージョン |
テルノビーナスマーブル系 | 2019年発見。2022年10月選抜品種完成 |
仮称 スパーク | テルノファンファーレの枝変わり |
仮称 ニューアマゾン | アマゾンの枝変わり |
仮称 カモフラージュ | バレンシアの枝変わり |
スーパーイエローサンシャイン | 夏涼しい場所での管理。年間通して黄色の発色が良い |
テルノセレクト | 黄緑斑が入るマーブルクイーン。3年かけて選抜固定。 |
細葉ヒミコ | |
細葉アマゾン | |
テルノスフィーダマーブルver. | テルノスフィーダのマーブルバージョン |
テルノムーンライトマーブルver. | テルノムーンライトのマーブルバージョン |
テルノヒロイン | テルノラブソングより生育遅く要冬期高温 |
テルノローラ | テルノリンダの妹。リンダより明るい黄緑色の羅紗葉2020.5.14発見 |
テルノラブソング極(きわみ) | ラブソングより白色が多く斑入りが安定。生育は遅い |
テルノ王様の剣(つるぎ) | |
テルノトレビアン | 丸葉パーフェクトグリーンの枝変わり。夏に明るい斑が出る |
テルノゴールドクィーン | 白くないマーブルクイーン。強健。 |
テルノグレースグリーン | |
テルノシャララマーブルver. | テルノシャララのマーブルバージョン |
テルノインペリアル | テルノキャストの枝変わり。白葉。葉の外側に緑色が入る |
テルノニューサンシャイン(=現テルノサンシャイン) | 従来より黄色が鮮やかで伸びが良い。2024年9月~「サンシャイン」として流通している。 |
テルノジパング | 黄色みの強い明るいグリーンに濃い緑斑。第3のヒミコ。 |
テルノアンジェリーナ | テルノシャララの枝変わり。細葉&白ベースにくすんだ緑色が入る。 |
海外のポトス
日本で知られている以外の海外で流通している品種。
品種名 | 特徴 |
Jade(ジェイド) | パーフェクトグリーンと同種? |
Hawaiian Golden(ハワイアンゴールデン) | ゴールデンの砂子斑 |
Jessenia(ジェセニア) | ゴールデンの変種。エメラルドグリーンと黄緑斑の混合 |
Neon(ネオン) | ライムと同種 |
Variegated Neon(バリエゲイテッドネオン) | ライムに濃緑色の斑が入ったもの |
Snow Queen(スノークイーン) | 白斑が多めのマーブルクイーン |
Manjula(マンジュラ) | ステータスと同種 |
Reverted Manjula(リバーテッドマンジュラ) | 先祖返りしたステータス |
Mayan Gold(マイヤンゴールド) | ゴールデンの変種。黄斑が多い |
Johanna Queen(ヨハンナクイーン) | 淡い霜降りのある濃緑色。1993年に品種登録も現在消滅 |
Green Genie(グリーンジーニー) | マーブルクイーンの矮性品種 |
Wilcoxii(ウィルコキシ) | ハワイアンに酷似。黄斑と濃緑色の霜降り状の斑 |
ポトスと同属 Epipremnum amplissimum
ポトス(Epipremnum aureum)の他にもエピプレムナム属の植物はあります。
アンプリッシマム(モンステラシルバーシャドウ) E. amplissimum Silver
ポトスと同様にほふく性のある種。
海外ではEpipremnum amplissimum silverと呼ばれています。
日本では「モンステラシルバーシャドウ」の名前で出回っていますが、モンステラ属ではないため間違いです。
ポトスの近縁種 Epipremnum pinnatum
Epipremnum aureum種の近縁種。通称“ピナツム”と呼ばれている種です。
- エピプレムナム・ピナツム❛セブブルー❜
- エピプレムナム・ピナツム❛バルティックブルー(バルトブルー)❜
- エピプレムナム・ピナツム❛イエローバリエガタ❜
- エピプレムナム・ピナツム❛ホワイトバリエガタ❜
- エピプレムナム・ピナツム❛マーブル❜
- スケルトン・キー
セブブルー Cebu Blue
海外では人気のポトスですが、日本では、荒木植物園(Araki Ornamental Plants Farm)“A.O.P.F”さんと、浅岡園芸さんが生産、出荷されています。
バルティックブルー(バルトブルー)Baltic blue
海外ではセブブルーよりも新品種のポトスとして注目されています。
葉が青みがかった濃緑色なのが特徴で、こちらも荒木植物園(Araki Ornamental Plants Farm)“A.O.P.F”さんが正式な商品として生産、出荷されています。
イエローバリエガータ Yellow Variegata
ゴールデンポトスに似ていますが、葉が細く薄いのが特徴です。
公式に商品として生産・流通はしていません。
ホワイトバリエガータ White Variegata
ピナツムに白斑が入る品種。
公式に商品として生産・流通はしていませんが、2024年頃から日本国内でも流通・販売されています。
マーブルバリエガータ Marble Variegata
マーブルクイーンに似ていますが、若葉のうちから葉に穴が開いたり、切れ込みが入るのが特徴です。
成木になるとモンステラのようにもっと大きく葉が裂けます。
スケルトン・キー Skeleton Key
葉がカギの形になる珍しい品種。
2024年頃から日本国内でも流通・販売されています。
ポトス属の原種
正真正銘、本物のポトス属のポトスです。
- ポトス・スカンデンス
- ポトス・バルベリアヌス
ポトス・スカンデンス Pothos Scandens
私たちが“ポトス”と呼んでいる植物は、実はハブカズラ属(Epipremnum)であってポトス属ではありません。
しかし、これは本当のPothos属の基準種といわれるポトス・スカンデンスです。
ポトス・スカンデンス バリエガータ Pothos Scandens variegated
ポトス・スカンデンスの黄斑。突然変異による枝変わりと思われます。
私たちがよく知っているポトス・ゴールデン(=ゴールデンポトス)は、ポトス属ではなくエピプレムナム属の植物。
なぜ“ポトス”という名称が付いてしまったのか?
それは、この突然変異によって生まれたポトス・スカンデンス・バリエガータの存在が大きいと個人的には考えています。
詳しくは>>大発見!リンデンが“ポトス”をポトス属と間違えた理由が判明
ポトス・バルベリアヌス Pothos barberianus
ポトス・スカンデンスとは似ても似つきませんが、
ポトス・バルベリアヌス(Pothos barberianus)はパルダリウムの世界で“ポトスの原種”として流通する立派なポトス属の種です。
バルベリアヌスはとても成長が遅く、高湿下で栽培しないとすぐに乾燥してしまい枯死します。
ゴールデンポトスのような感覚での栽培はできません。
ポトスに似た植物
ポトスに似ていますが別属の植物。
- オキシカルジウム・ブラジル
- フィロデンドロン・オウランティフォリュウム
- スキンダプサス・ピクタス・アルギレウス(シラフカズラ)
- スキンダプサス・トレビー
- スキンダプサス・シルバーヒーロー
- スキンダプサス・ミニグリーン
- フィロデンドロン・フォレストオブホワイト
フィロデンドロン オキシカルジウム❛ブラジル❜ Philodendron oxycardium❛Brazil❜
ポトスと同じサトイモ科のため、欧米では「Philodendron Pothos」と称され、ポトスの一種として扱われています。
フィロデンドロン・オウランティフォリュウム Philodendron aurantiifolium
こちらはポトス(Epipremnum)に似ているといっても、特徴が本物のPothos属のポトスに似ている植物です。
スキンダプサス・ピクタス・アルギレウス(シラフカズラ) Scindapsus Pictus Argyraeus
ポトス(Epipremnum)と同じサトイモ科ですが、スキンダプサス属です。英名Satin pothosとあるように
欧米では「Scindapsus pothos」と称されポトスの一種として扱われています。
スキンダプサス・トレビー Scindapsus Treubii
このトレビーは先程紹介したスキンダプサス・ピクタス・アルギレウス(シラフカズラ)よりも葉が大きい品種です。
スキンダプサス・シルバーヒーロー Scindapsus Silver Hero
スキンダプサス・ピクタス・プラチナ(Scindapsus Pictus Platinum)またはシルバヒーロー(silver Hero)と呼ばれる斑のない品種です。
スキンダプサス・ミニグリーン Scindapsus Mini Green
正式な学名は不明なのですが、園芸店ではスキンダプサス・ミニグリーンとして流通しています。
ポトスのパーフェクトグリーンに似ていますが、葉の厚みは薄くどちらかというとピナツム❛セブブルー❜に似ています。
フィロデンドロン・フォレストオブホワイト Philodendron❛Forest of White❜
かつて、ポトスエンジョイにそっくりと言われたフィロデンドロン・フォレストオブホワイト。
実は、のちにポトスエンジョイと同じだった。誤認だったとの情報があります。
そのため、フィロデンドロン・フォレストオブホワイトという種は存在しません。
sp.種
- エピプレムナム・プルクナム(Epipremnum pulchrum)
- エピプレムナム“トゥア”産
エピプレムナム・プルクナム Epipremnum pulchrum
こちらもパルダリウムの世界ではポトスの原種として扱われています。
高湿環境で栽培するのが基本です。
エピプレムナム“トゥア”産 Epipremnum sp.
ポトス(Epipremnum)の種名が特定できない種です。
葉は硬くつるんとしています。
パルダリウムのような高湿度環境で育てるのが良いですが、常温下でも育ちます。
品種不明ポトス Epipremnum sp.
ポトス(Epipremnum)のような茎や葉の質感をもちつつ、ピナツムのような細長い葉を持ちます。
個体によって葉の半分に斑が入るもの(ハーフムーン)や、ゴールデンポトスのような黄斑が入るものもあり、まったくもって品種不明です。